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18 肇興
12月9日に报德の鼓蔵節が終わり、次は12月16日からの榕江(ろんじゃん)の萨吗節(さあまあじえ)を見たかったので、その間は黎平(りぃぴん)県の肇兴を再訪することにした。

郎德上寨の農家旅館は16日間の滞在で3200RMBで、1日の食住費は200RMB(3000円ほど)。

12月10日、上寨では暖房のない生活で体がちじこまってしまったので、とりあえず凯里(かいり)へでて、高速バスで肇兴のある黎平県の県城である黎平へ行き(4時間半、120RMB)、10月にも泊まったバス駅近くのホテルに泊まる(100RMB)。

暖房と豊富な湯量のシャワーで一息入れる。

翌11日朝、肇兴へ向かう(約2時間、21RMB)。

前回は村の中を流れる川の改修や、メイン道路の舗装工事をやっていてほこりっぽかったが、今回は工事は終わっていて静かであった。

冬は観光もオフシーズンのようで、出会った観光客は数人であった。

とりあえず前回泊まった農家旅館に入る。
前回は気候がよくてエアコンは使わなかったので1泊50RMBだったが、今回はエアコンの使用料が30RMBで、合計80RMBになった。

温水シャワーもたっぷり出るのでストレスはない。

村の中を散歩すると、そこいらじゅうで赤大根が干されている。

 

礼団鼓楼の南側の小高い所に「萨玛祠」を見つけた。

周囲はしっかり閉ざされていて内を見ることはできない。


これは、村の入口の「花橋」の内に掲げられている絵の一つ。


礼団鼓楼のベンチに座って休んでいると、おじいさんが大きな枯れ木を担いできて、焚き火が始まった。

火が着くと、次から次とおじさん達が集まってくる。


私も火にあたり、私と同年くらいのおじさんが話しかけてきて、なんだかんだと話をして1時間ばかり過ごす。

この鼓楼の横に肇兴の名物を売る店があり、姜糖(じゃんたん;生姜糖)と書いてあるので、私は生姜好きなのでそれを買う。


飴かと思ったら、半がわきの生姜片に砂糖がまぶしてあるものだった。


1斤(500g)15RMBというので、1斤は多いので半斤にしてちょうだい、というと、じゃあ10RMB分、ということで商談はまとまった。

このあとはずっとこれを持ち歩いて、歩き疲れたときに水筒のお茶といっしょに食べての一休みに大いに役立った。

泊まった農家旅館は1階は食べ物屋になっていて、前回は無かった名物料理のパネルが壁にかけてあったので、その中から侗族のなれ鮓である「腌鱼(あぁゆい)」と西红柿蛋湯(しぃほんすぅたんたん;トマトと卵のスープ)と米酒で晩飯にする(48RMB)。

 

腌鱼は、火鉢の炭火で焼いてくれた。


鯉の若魚を唐辛子といっしょに発酵させていて、伝統的な米だけで発酵させたものにはまだ出会っていない。

見た目よりは辛くないが、発酵した旨みと唐辛子の辛味でお酒もご飯も進む。


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