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05 报德鼓蔵節の「殺猪」と郎徳上寨の表演
翌11月28日、雷山も郎徳上寨もこの日は特別な催し物がなかったので、郎徳上寨をゆっくり散策してみようと街道沿いに歩いていると、上流の村へ向うバスが私を追い越してからすぐ止まって、一人だけ乗っていた乗客が私を手招きして、これから上流の村へ写真を撮りに行くがいっしょにいかないか、と誘ってくれた。

彼は北京の記者で、全国を取材でまわっているそうだ。

バスは、彼の目的地の报德(ぱおた)ともう一つの村への分かれ道で止まって、我々はそこで降りて、报德まで20分ほど歩く。

村の入口には「鼓蔵節」の横断幕があった。


あとでこの村の鼓蔵節のスケジュール表が貼ってあるのをみつけ、祭が12月9日まで続くのを知り、12月18日の榕江の萨玛節までは時間があるので、この祭りを最後まで見ることにした。


この日は「殺猪(さつぅ」の日で、村のあちこちで豚をつぶしていた。

 

今回は、北京の記者に出会って、报德で鼓蔵節があることを知ることができて本当に幸運であった。

报德からはバスがなくて郎徳上寨まで1時間足らず、歩いて帰った。

これから数日鼓蔵節を見に报德へ行っても、歩いて1時間ならバスがなくても安心だ、と思う。

宿へもどり昼食にまた餅を食べて部屋で一休みしていると、広間から芦笙の音が聞こえてきたので見に行くと、老板の阿陳が、民族楽器を研究しているらしい二人の青年に芦笙について説明していた。

私もいい機会、と一緒になって説明を聞いていたが、そのうち「火车进苗岭(ほぉちょうちんみゃおりん;汽車が苗の山々を行く)」という曲を披露してくれた。

汽車の感じがよく出ていて、さすがに巧い。


青年たちが旅館から出て行ってから、私も村をブラつこうと、とりあえず銅鼓坪へ行くと、先ほどの青年や若者の集団がいて、どうも民族楽器を研究しているらしく、銅鼓や木鼓の演者に色々質問をしてメモをとっている。

普段は資料館の中に展示してある木鼓も外に出して実演が行われた。

 

銅鼓の音は何度も聞いたが、聞きたかった木鼓の音を聞くことができて幸運であった。

この日は、幸運が重なり、いい日だなあ、と思う。


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