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02 雷山鼓蔵節 市内行進
貴州2日目の11月25日は、郎徳上寨は苗年の大晦日で、1年飼育してきた豚をつぶす「殺猪(さつぅ)」の日。

私は朝飯を食べてから母屋から離れたところにあるトイレへ行き力んでいると、壁のすぐ向こうでブヒー・ブヒーと豚が大きな声を出すのが聞こえて、私が外へ出る頃にはすでに血抜きが終わって、体にお湯をかけて毛をこそげ取る作業に入るところだった。

前日雷山で鼓蔵節の催し物のスケジュール表をもらって、この日の午後に雷山で市内行進があるということで、郎徳上寨の村を一回り散歩してから雷山へ向った。

郎徳上寨ではあちこちで「殺猪」している光景に出会った。

 

また、面包車で雷山へ行くと、開幕式の式場になる競技場の前には、デーンと、シンボルの巨大な銅鼓と水牛の像がある。

 

行進は14時から、ということであまりカメラマンのいない場所を選んで行進を待った。

子供たちはどこへ行っても可愛いが、民族衣装を着た子供たちが可愛い姿で歩いている。

 
 
 

1時間ばかり待つと、行進の一行がやってきて、各地区ごとの盛装の民族衣装での行進で、目の前が銀飾の牛角でいっぱいになった。

銀飾の鈴の音が心地いい。


開幕式は有料入場券が必要で、売り場も無くすでに売り切れているようで、私は行進を見て郎徳上寨へ帰ることにした。

行進を待つ間会場近くをぶらついていたときに、「娃娃鱼(わあわあゆい)」の展示をしているところに行き当たった。

娃娃鱼って何だろう、とのぞきに行くと、それは「オオサンショウウオ」であった。


宿へ戻ってみると、昼食時に「殺猪」後の宴会があったとのこと。

夜は、イギリス人の先生一行は次の目的地へ向い、広西から来ていた阿龍夫婦はお昼に飲みすぎたと炒飯で簡単にすませていて、旅館の主人夫婦は大晦日の親戚家族水入らずの晩餐するので、私はまた西紅柿炒蛋と土豆炒肉で米酒(自家製米焼酎)とご飯。

主人の阿陳は、いっしょに飲まないか、と誘ってくれたが、飲みすぎても次の日が大変になるので辞退して彼らの晩餐をながめていると、米酒に何か垂らしているので、それは何か、と聞いてみると、胆嚢だよ、との返事。

この日つぶした豚の胆嚢から胆汁を垂らして飲む。

阿陳が私の杯にも垂らしてくれて、飲んでみると、ほのかな苦味でさっぱりした飲み口になった。

私も半斤(250ml)の米酒でいい気持ちになってこの日は早々に寝る。

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