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05 坪球・銀良・銮里

15日午後は、高増から从江までの途中の村々も訪ねてみようと歩いていくことにした。

高増から隣の坪球(ぴんちゅう)村までは川沿いの道を歩いていったが、途中からは田圃のあぜ道になった。

もち米の刈り入れの盛期であちこちの田圃で稲刈りをしている。

 

収穫しているところを見ていると、何か道具を手にしているので見せてもらうと、鎌ではなく、先がV字形の木のバチのような道具だった。


高増から最初の村、「坪球」へ入るところから舗装された街道を歩く。

侗族は、田圃で鯉や鮒などを養っていて、ここでは、田圃の中央に池があった。


坪球村は街道を挟んで2つの集落に分かれている。

まずは街道の西側の集落に入る。

 

ここでは鼓楼の内に牛舎があって、闘牛用の水牛が飼われていた。


餌の牧草を刈ってくる当番の表が掲げてあった。


街道の東側の集落は、養魚をする田圃、村の入口のガジュマルの巨木、川にかかった花橋(風雨橋)、村の中心の鼓楼と絵に描いたような侗族の村だ。


花橋の入口屋根には沖縄のシーサーのような獅子が載る。

 

鼓楼には立派な龍の飾りがついているが、中央に蟹の絵があるのが印象的だ。


村のもう一方の入口には、新しい石橋がかかるが、古い木造の花橋も残っていて、村への入り口に土地神が祀られている。

 

ここの土地神は、赤ちゃんを抱いている。

 

この村にも、「石敢當」がある。


村の入り口の榕樹(ガジュマル)の根元の祭祀の跡。


そこから街道を少し行くと「銀良(いんりぁん)」の村に着く。

ここでも大きなガジュマルが印象的だ。


ガジュマルの根本には道しるべが奉納されている。


この村の建物ももち米を干す竹の棚でまるで工事現場のようだ。


ここでも鼓楼の横で闘牛用の水牛が飼われている。

 

牛舎の内はテレビのある休憩所になっていて、たくさんの人が侗劇のビデオを観ていた。


鼓楼脇の泉の前に、太陽と大極の印が白石で埋め込まれている。


村の北の端の丘の上に古い寨門が残っていて、その屋根にそうとうの年代物の狛犬が載っている。

 

スナップ。


街道を挟んだ山側には棚田がひろがる。

 

棚田の中に「カササギ」を発見。


次の「銮里(るぁんり)」まではけっこうな距離があって疲れた。


この村の建物は新しく造りかえられたようで、同じ形の家々が並ぶ。


どの村へ行っても、鼓楼は必ず建っている。


この村は、香猪(しあんつぅ)という小型の黒豚の名産地で、村のあちらこちらを犬のように香猪がウロウロしている。


疲れたので花橋のベンチに腰掛けてバスを待ったが、ウトウトと寝てしまい、その間にバスが来てしまったのか1時間たってもバスが来ないのであと少し、从江まで歩くことにした。

从江の市街地へ入る少し手前の川沿いに土地神が祀られている。

 

この日は、旧暦の9月1日、お坊さん(?)と何人かの参拝の人たちがいて、「直会」か、会食をしていた。

木を祀った跡。


土地神の廟の屋根には可愛らしいアヒルの焼き物が載せてある。

 
 

川向こうに新しく建てられた「観音八仙殿」と「玉如殿」があり、観音八仙殿には観音さまか、土地神かの像があり、その両脇に4体ずつ計8体の仙人像も祀られていた。

 
 
 

あと少し、市街地まで歩きき、公交1路のバスで賓館へ戻った。

高増から从江までの地図。


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