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清明 次候 鴻雁北へかえる (がんきたへかえる)
清明の次候は、鴻雁北へかえる。

日が暖かくなり、雁が北へ帰っていくころ。

新暦ではおよそ4月9~13日ごろ。


2021年4月13日 記

今年の清明の次候は、4月9~13日。旧暦の2月28日~3月2日。

13日は雨になったが、9~12日は晴れて爽やかではあったが、やや小寒い日が続いた。

浜名湖のヘリにいるヒドリガモの群れはまだ北へ帰ってはいないが、11日の散歩で、夏鳥の「コチドリ」が潮の引いた水路にやってきているのに出会った。

目の回りの黄色いリングが他のチドリ類と区別するポイントのようだ。

以前、クルマエビの養殖をしている頃、6月ぐらいまで池を干していて、毎年このコチドリが池の周辺部に巣を作って卵を産むので、養殖を始めるために池に海水を入れなけらばならないときは困ったことがある。


散歩の時、また私として始めてみる面白い形の野草が道端にさいていたので、さっそく「PictureThis」でその名を確認すると、「トウダイグサ(燈台草)」と出た。

茎の頂部から放射状に伸びた花茎に、苞葉の中に黄色い花を複数つけてる。苞葉は椀状で、その中に黄色い花がある様が、燈火の皿に見立てて、この和名がある。

この草は、危険な植物で。そのジュースは非常に有毒で、アレルギーを引き起こしやすく、ジュースは皮膚に直接接触すると、激しい炎症と水疱を引き起こす可能性があり、目にはいると角膜に深刻な損傷を与え、失明する可能性もある、とのこと。

手に取らないで、写真に撮るだけにしておいてよかった。


庭の梨の葉を食べている芋虫を発見。

小学館の「イモムシとケムシの図鑑」で「シャクガ」の仲間の、「ウメエダシャク」と判明。

尺取り虫のように動くので、検索しやすかった。

この芋虫は、平地から低山地の公園や果樹園などにすみ、初夏に多い身近な尺取り虫で、頭部に白い線があるのが特徴。


枇杷や酢桃の葉には、ケムシが数匹ずつ。

頭部を含む体全体に短い毛が生え、胴体の横などに長い毛がある、ということで「カレハガ」の仲間のような気がするが、定かではない。


アカメガシワの葉っぱの上で、ハサミを振り上げる蜘蛛を発見。

ネット検索で、「コハナグモ」と判明。


そして「野草を食べる」シリーズ。

今回は、ノゲシ、アケビ、アカメガシワ。

ノゲシアケビについてはすでに記したので、「アカメガシワ」。

アカメガシワは、川沿いなど、いたるところに分布する落葉樹。昔はこの葉に食物をのせたため、別名を五菜葉(ごさいば)という。

若葉があざやかな紅色をしているため、アカメガシワの名があるが、その赤い葉を食用にする。

茹でて、よく水にさらしてアクを抜いてから、醤油とみりんで煮る煮びたしか、油炒め、おひたし、胡麻味噌和えなどで食べる。


で、アカメガシワの若葉を摘んできて、茹でたらせっかくの赤い色が消えてしまい、そのまま食べてみても特に味があるわけでもないので、ノゲシの葉っぱと蕾、、アケビの葉っぱといっしょに天ぷらにした。

とりあえず、淡白な素材は、天ぷらが無難。

 

ノゲシの蕾は少し苦みがあって、野草を食べている実感があったが、この三種は、どれもクセがないというか、味がなく、味わうというよりも、野草を食べている、という非日常感を味わうものだな。


2024年4月18日 記

今年の清明の次候は、4月9~13日。

9日は昨晩から午前中まで大雨が降ったが、午後からは晴れる。

その後は13日まで曇りがちだが、比較的暖かい。

10日に庭の実のなる白桃の花が咲く、とはいってもまだ苗木の段階で1mほどの苗がほとんど伸びていない。

10日は、バイトの夜勤明けで、ついでに浜北の花木センターに寄って山椒の苗を買ってきた(2000円)。

山椒の苗は、これまで3度植えたが、植えた場所が悪いらしくいつも枯らしてしまい、今回は4度目の正直で、よく葉の茂った苗を購入して、反日蔭が良いということで、ツツジの茂る陰に植えた。

私は、山椒の葉の香りが好きで、これだけ茂っていれば随分楽しめるだろう。


山椒の花が咲き始めている。


11日には、ひまわりファームと舞阪の魚屋へ買い出しに行く。

ひまわりファームでは、野菜の種類が少なかったが、これも毎年春の楽しみの「グリーンピース」があったので購入(100円)。


グリーンピースはいつも定番の「豆ごはん」にしている。

鰹だしに顆粒を少しいれて、おいしい。


舞阪の魚屋では、店に入るとすぐのところに大きな鰹が1本、水氷に入って光り輝いて並んでいたので早速購入。

全長56cm、2260g。3030円。


早速、三枚におろして、背側、腹側に切り分け皮を引いて刺身でいただく。

腹側は、皮が薄く、皮を引くのが難しかったので、皮付きで食す。



春~初夏の鰹の旬は、以前は鰹の回遊が伊豆半島をすぎたころに脂がのって旬を迎えるとのことだったそうだが、地球温暖化のせいか、伊豆半島に達する前のここ遠州灘の鰹もしっかり脂と旨味がのって旨い。


「初鰹」は、江戸時代には、江戸っ子が競って求めたそうで、その価格は、石黒正吉著「魚介譜」によると、

「元禄(1688~1704)のころから、思い切った高値が始まる。俳人・室井其角の句には、

  俎板に 小判一枚 初がつを

がある。・・・・・・・・・・・・。

其角のころ流通した慶長小判(一両)の、金の含有量は四匁一分(15g強)。」

現在の金価格は1g、13000円ほどだから、今で言えば、1尾、20万円ほど。

とても庶民の食べれるものではなかったんだな。


ここ浜松の舞阪は釣り上げた鰹をすぐに港に持ち帰り、死後硬直する前のものが、食感がモチモチと餅のような感じで「モチガツオ」といって珍重している。


今回も店のお姉さんに「これがモチガツオかい」と聞くと、「昨日ならモチだったけどね。14時ごろ入荷するよ。」とのこと。

私はいつも午前中にお店に行くので、モチガツオを手に入れるには午後行かなければならないから、来週入荷したら電話してくれるように頼んできた。


内臓は、いつものように煮付けにして旨い。

乳白色の大きな臓器があり、腸にくっついていて、肝臓は血色のものがあるし、これが肝臓なのか、白子なのかよくわからない。

 

アラと血合はこれも定番の煮つけ。

脂がのっているので旨い。

 

アラ煮をつついていて、「鰹の鯛の鯛(もしくは鰹の鰹)」を見つけた。