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春分 初候 雀始めて巣くう (すずめはじめてすくう)
春分は、冬至から90日目、太陽が黄道の0度に達し、太陽が真東から昇り、真西に沈み、昼夜同じ長さとなる。

春分の日を中日に、前後三日を含めた七日間が、春のお彼岸。

先祖の霊を供養する仏事が行われる日だが、古来、このころに農事始の神事を行っていて、仏教に縁のない行事も多い。

遠州小笠郡浜岡町では、桜ケ池の「お櫃納め」という、赤飯を入れた檜の桶を次々と池に沈めるという行事があるそうだ。


春分の初候は、「雀始めて巣くう」。
雀が枯草や毛を集め、巣を作りはじめるころ。

新暦では、およそ3月20~24日ごろ。


2013年3月21日 記

3月20~24日まで(旧暦2月9~13日)が、春分の初候。

3月20日、朝からどんよりと曇り雨が降りそうな天気で、雨が降り出す前に、と10時すぎに雀の姿を求めて庄内川の河川敷へ散歩にでた。

以前は、私の家(名古屋の実家)の前の電線に雀が数羽の群れでとまっていたものだが、最近はめったに見られなくなった。
それでも庄内川へ散歩に行くといつもムクドリと雀の群れは見ることができる。


この日は、それまでいなかったヒバリが空でピッ・ピッ・ピッ・ピッ・ピッ・ピッ・・・・・・・・、とさえずり、春を感じさせてくれる。

野球グラウンド横の草むらから2羽の小鳥が飛び立ち、すぐまた近くに降りて地面をつついているので写真に撮る。


ずっと2羽で行動していて、ヒバリのつがいのようだ。

ヒバリは、その鳴き声に種類があり、舞い上がるときの「上り鳴き」、上空ではばたきながら留まって鳴く「舞鳴き」、降りるときの「くだり鳴き」といい、特に舞鳴きでは、いくつものパターンを組み合わせて長時間鳴き続けるのだそうだ。

遊歩道の脇に、「ツクシ」も見つけた。


少し摘んで、菜花も咲いていたのでそれも何本か摘んで持ち帰り、夜はそれらを天ぷらにして一杯やった。


2021年3月25日 記

今年の、春分の初候は、3月20~24日(旧暦2月8~12日)。

私の住んでいるところは、周りに住宅がないせいか、ムクドリは毎日みるけど雀の姿は見たことがなく、散歩に出るようになって、住宅街のほうの公園や民家のTVアンテナに雀がとまっているのを見つけた。


東京ではすでに桜が咲いているそうだが、ここ浜名湖東岸ではまだちらほらと咲いている程度。

家の庭のソメイヨシノは、冬の間強い北西風にさらされて気温が低いので、多分積算温度が開花に達するまで時間がかかるようで、まだ花芽がちょっと膨らんでピンク色が見える程度。

21日は大雨が降り、その他の日は晴れで日中は暖かいが、朝はけっこう冷え込んで寒い。

21日、家の庭の「シャガ」が咲き始めた。

シャガは、名古屋の実家から引っ越す時に移植したもので、日陰の何箇所かに植えた。

ウキペディアによると、

「シャガは中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物である。三倍体のため種子が発生しない。このことから日本に存在する全てのシャガは同一の遺伝子を持ち、またその分布の広がりは人為的に行われたと考えることができる。」

「シャガを漢字で「射干」と書くことがある。しかし、ヒオウギアヤメ(檜扇)のことを漢名で「射干」(やかん)というのが本来である。別名で「胡蝶花」とも呼ばれる。」

別名、胡蝶花といわれるように、園芸品種にない可憐さがあって、私が好きな花の一つ。


また散歩に出ると、家のすぐ近くの道端の木に絡んで、蔓植物の「アケビ」が花を咲かせているのを見つけた。

 

ウキペディアによると、

「東北地方などでは、春の新芽や、4月ころの若い葉を摘んで山菜として利用し、塩ひとつまみ入れた湯で軽く茹でて、お浸しや和え物などにする」

そうで、試してみないといけないな。


23日には梨の花が咲き始めた。


苗木を植えてからもう3・4年たち、一緒に植えた酢桃の木はけっこう大きくなったが、植えた場所が悪いのか梨の木は全然伸びない。

23日の散歩では、近くのウナギの養殖場などの排水路に1cmほどのボラの子魚が上ってきているのを見つけた。


ボラは、出世魚で、飲食辞典によれば、

「最も稚小は一寸((3.03cm)くらいの間はハク、少し長じて5~6寸になったのをオボコといい、古く浪花名物のスズメ寿司はオボコ時代を江鮒(えぶな)と呼び、開いて腹に酢飯を詰めた形がふくらスズメに似ているとての名称で、小鯛を用いるようになったのは後である。それからスバシリを経てイナ、一尺(30.3cm)以上の成魚になってからがボラ、・・・・・。それ以上に成長して2~3尺、重量一貫目(3.75kg)に達するものがあるのをトドまたはシクチと称し、俗に「トドのつまり」というのもこれ以上にはならない最後だとの意・・・・。


今回見つけたのは、ハクにもならない子魚で、獲って食べるにはまだまだ小さすぎる。


2024年3月28日 記

今年の春分の初候は、3月20~24日。

北西風が強く肌寒い日々が続き、23日早朝からは雨が降り出した。

まだ寒く、梨や柿などはまだ芽をふかない。

20日、ひまわりファームと舞阪の魚屋へ買い出しに行く。

ジャガイモ、ニンジン以外は100円。

ひまわりファームでの今年の初見は、「セルリー」。

「セロリ」とは違う品種なのかと思ったが、ウキペディアによると、

「一般にはセロリと呼ばれているが、・・・・・・・・・・・・。日本でも野菜生産出荷安定法では「セルリー」であり農業関係者もそう呼ぶことが多い」

とのことで、セルリーとセロリは同じものだった。

春を感じさせてくれるサヤエンドウとスナップエンドウもあり、購入。


舞阪の魚屋では、カレイの類3尾が活けてあり、前食べたホシカレイが旨かったのでこれはどうだろうかと購入。

「イシカレイ」2尾と「メイタカレイ」1尾の3尾で1500円。

イシガレイは1尾全長29cm、体重306g。


体表に、何かくっついているので寄生虫でもくっついているのかと思ったが、柳原敏雄著「魚介歳時記」によると、

「イシガレイ」は右側の背部に、石のようにかたい数個のかたまりがならび、側線に沿ったところや腹部にもある。いちめんに大小の白い斑点がちらばっていることも特徴の一つだ。」

ということで、これがイシカレイの名の由来になっているらしい。

ぼうずコンニャク」さんによれば、この石状のものは「石状骨質板」というのだそうだ。


「メイタガレイ」は、全長24cm。体重250g。

ぼうずコンニャク」さんによれば、目と目の間にある骨質板が板状であることから「目板」でメイタガレイと名づけられたようだ。


まずはそれぞれ半身は刺身で。

左がメイタガレイ、右がイシガレイ。

メイタガレイは、乳白色だが脂がのっているわけではない。

イシガレイは、青っぽい透明で、両方とも身が締まっているが、甘味はなく、旨味も薄かった。

両方とも、体に比して大きな肝臓で、旨そう。

 

内臓と、縁側、皮は煮付けで。

旨味たっぷりで期待通りであった。

残りの尾頭付きの半身は煮付けにした。

イシカレイは、うどんがなかったので、豆腐を煮汁で煮つけて「イシガレイ豆腐」にして正解。

メイタカレイは豆腐もなくなったので、素直な煮付けで旨い。

 

イシガレイの2尾のうちの1尾は、唐揚げにする。

身が淡白だったから、油がよく合って旨い。


この日は、鰯の「つみれ汁」を作ってみようと、鰯も購入。

1尾、全長22cm、90g。7尾、500円。


1尾分は刺身で食べてみたが、脂はあるように見えたが、味はサッパリ、淡白であった。


「つみれ」は初挑戦で、三枚おろしの身の皮を剥いてトントンと刻み、おろし生姜と小麦粉を適当に混ぜて丸めた。


味噌仕立てのつみれ汁。

鰯の身が淡白だったせいか、おろし生姜が少なかったか、期待よりも旨味がなかったが、まずまずの出来。