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もみ飯祭り

浜松市北区滝沢町で行われる「おこない」は、正月元旦に四所神社で行われる「シシウチ神事」と「シートー祭り」、そして、1月4日に林慶寺で行われる「もみ飯祭り」と「平治(へいじ)祭り」を総称して「滝沢のおくない」と呼ばれている。

昨年の元旦に「シシウチ神事」と「シートー祭り」は見物したが、4日は、昨年は、「川名のひよんどり」を見に行ったので、今年は、「もみ飯祭り」を見物することにした。

3日に行った「懐山のおくない」でもらったパンフレットに今年の「遠江のひよんどりとおくない」の日程があり、4日の「滝沢ののおくない」は、午前10時から、ということで、8時半ごろに車で家を出た。



「おくない」が行われる林慶寺には、昨年8月13日にも「大念仏と放歌踊り」を見に来て、その道程と広い駐車スペースがあることはわかっていたので、スムーズに来ることができた。

9時半ごろに境内へ行くと、本堂前ではすでに綱引きの準備をしていた。

静岡県民俗学会編「静岡県の祭ごよみ」によると、以前は、正月6日夜の大日堂の行事であったが、大日堂は、現在は四所神社の建物になっていて、明治初年の神仏分離以来、大日如来像は林慶寺に移されていて、そのためこの祭りは林慶寺境内でおこなわれているそうだ。


本堂前に行事の進行表が掲げられていた。

 
 

準備されている綱引きの綱は、12mほどの山藤の蔓で、この蔓は毎年山から切り出してくるそうだ。

この蔓の中央に新しい茣蓙を結わえ付けて準備は完了する。

祭りが始まる前に綱引きに参加する衆が注連縄を腰に巻き、襷をかけて準備をする。


祭りは、11時ごろ、禰宜様一行がまずは四所神社に参拝してから林慶寺に戻り、大日様にご飯を供えてから禰宜様がそのご飯を下げてきて綱引きが始まる。

この綱引きは、村人が村を流れる川を境に東西に分かれて引き合うそうで、昔は勝ったほうの集落が豊作だといわれていたそうだ。


三本勝負で、今年は、「西の勝」。


お昼には、七草粥がふるまわれ、午後には、「瓶子祭(平治祭)」が行われるが、私は、山を越えた隣村の川名で行われる「シシウチ・的打ち神事」を見たかったので、綱引きが終了してから川名へ向かった。

ちなみに「瓶子祭」は、修正会の行事だそうで、大日如来に、酒、葉つき大根、井桁大根、干し柿、みかん、菓子などを供え、大盛飯を参加者が食べる行事だそうだ。

「瓶子」とは、神酒徳利のことで、滝沢では「世の中が平和に治まりますように」という願いをこめて「平治」という文字をあてているそうで、高盛にした飯は「今年もたくさんお米がとれますように」という願いが込められた造形だそうだ。