表紙 / 弥生の原郷を訪ねて / 侗族を中心にした春節時期の祭り / 19 岜团

19 岜团
三江から独峒へ来るときに通った、独峒の一つ手前の岜团(ばたん)村にも「国家重点文物保護単位」に指定されている風雨橋がある、ということで、林略から独峒へ戻ってから、米粉(4RMB)で昼食にしてから、歩いて岜团へ向かった。

街道をぶらぶら歩いて40分、岜团の泉が見えてきた。


この泉は「恐竜泉」と名づけられている。

 

村の中へ続く道を行くと、鼓楼に行き当たる。


鼓楼のてっぺんの梁には、菱形の黒布が付く。


中には立派な木鼓が置いてある。


中央の火処の周りでは、老年の男たちがカードで遊んでいた。


鼓楼の脇には「岜团楼胖」と額のかかった建物があった。


こちらの梁には赤い布が掛けられている。

鼓楼の黒布に対比しての赤い布だろうか、

陰陽五行では、黒は「北」、赤は「南」。


鼓楼脇の泉。


集落を過ぎた下流側の村の入口に「岜团橋」はあった。


橋の長さ、50m、橋幅、4.5m、水面から橋のてっぺんまでの高さ、12m。

人の通るところと、家畜などが通るところに分かれているのが特徴。

 
 

橋の中央には「関羽堂」と書かれていて、関羽と張飛の門神が祀られている。

この関羽と張飛の貼り絵は、三江の市場の露店で売っているのをみつけて私も購入(5元)して、今も私の部屋に貼ってある。


土地公は橋の外に祀られている。


内には神像は無く、火を灯す油壷が置いてある。


近くに油壷そのものを祀る小祠もあった。


橋を望む川原から少し上がったところに「飛山宮」があり、ここの小道が旧道であったようだ。


ここで、村の観光開発に投資する老板(社長)夫妻を案内する村のお役人の一行と出会い、この先に記念物があるよ、と教えてくれて、そこまで一緒に行く。


左右に「日」と「月」のシンボルが、中央には太陽を中心にして人びとが手をつないで環を作っているレリーフがあった。


村長さしき人に、中央のものは何ですか、と聞くと、あれは侗族のシンボルを表している、と教えてくれた。

侗族は、越族の末裔、まさに「和(環)を以て貴しとなす」、倭族だ、と感動した。


この脇の丘の上にも記念物があると教えてくれたので、一行と別れて丘に登る


像は、侗族の英雄たちで、向かって左から「貫公」「飛山大王」「駱郎」。

像をぐるりと囲む石板には、侗族の自治組織「款」の約定が刻まれていた。


この日はここまで、街道へ戻り、三江に戻る面包車を待って、三江に帰る(15RMB)。

 
20 高定