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08 报徳鼓蔵節 起鼓
12月1日、报德の鼓蔵節では祭りの銅鼓の打ち始めの「起鼓(ちぃく)」の日で、銅鼓は也利から报德へ向って出発して13時ごろ报德に到着すると聞いていたので、也利出発は12時ぐらいだろうと9時ごろ郎徳上寨を出発した。

10時すぎに也利に到着、前日起鼓があるかどうかを問いた家の前に青年がいたので、起鼓はどこであるの、と聞くと、村の中だよ、と言ってもわからないと思ったか、銅鼓のある「鼓頭(くぅとう)」の家へ連れて行ってくれた。

家の門には笹竹でアーチが作られ牛角杯が両側に吊るされている。


家の中に入るとすぐの土間に銅鼓が吊るされていた。


土間の隣の薪ストーブのある居間に何人かの男たちがいて、銅鼓を打つバチを作っていた。


関係者ではない私も、いらっしゃい、いらっしゃい、と迎えてくれて、ストーブの横に腰掛ける。

部屋にいた子供。
可愛い冠をかぶっている。


台所では、祭りに持っていく蒸したもち米などを準備している。


そのうち、銅鼓に酒とお魚を供えて、銅鼓を打ち始め、始めに子供の手を引いて銅鼓の周りをまわりはじめ、その後人数が増えていく。

12時ごろから家に集まった大勢の人たちで米酒を飲んで昼飯を食べ、私もゴチになった。



13時ごろ也利の村人は、报德の川原の会場へ向けて出発した。

出発にあたって、也利村の広場でも銅鼓を鳴らして、その周囲を回る銅鼓舞が行われる。

屋外では銅鼓を吊るす木が立てられるが、この木は何という木か聞いてみたが、「鼓蔵木(くぅつぁんむぅ)」という返事で、標準名はわからなかった。

ただ、枝先に葉っぱがついていたので写真に撮っておいたのが役立って、「PictureThis」してみたら、「タブノキ」とでた。

説明書きによると、

「タブノキは、日本の万葉集や日本書紀などにも登場し、古くから神事などに用いられてきました。」とあり、祀りで用いられる木にふさわしい。

一行は行列をつくって歩いて报德へ向い、広い川原の中心に鼓蔵木を立て、酒と魚と蒸したもち米を奉げて、銅鼓舞が始まった。

 

銅鼓舞は4拍子のステップで延々と銅鼓の周りを回るもので、この日は也利村の人たちだけのようで人数は少ない。


銅鼓舞は17時ごろお開きになり、也利の一行は、また歩いて村へ帰っていった。

私もこの日はバイクタクシーもバスもいなかったので、郎徳上寨まで歩いて帰った。


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