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04 高増

小黄で一泊して、開けて10月15日、前日旅館のおばさんから、朝7時に鼓楼前から从江行きの面包車が出る、と聞いていたので、面包車では定員が少なく乗れないといけないと、6時半ごろに鼓楼前で待った。

車はなかなか来なかったが、7時半ごろ後部座席付のトラックがやってきたので、从江へ行くのか、と聞くとうなづくので後部座席へ乗り込んだ。

村の中をゆっくり進んで、私を含めて6人が乗り込み从江へ向う(15RMB)。

高増を過ぎると、向こうから高増行きの市内バスがやってきて、从江から高増へは市内バスで行けることがわかり、とりあえず从江の先日泊った賓館にチェックインして温水シャワーを浴びて一休みしてから高増へでかけた。

バスは賓館前から「公交1路」で小黄方面への路口で「公交3路」に乗り換える(市内バスは1RMB)。

乗り換えて15分ほどで高増へ到着。


ここでも、もち米を干す竹組みが組まれている。


寨門には日本の神社でいえば「絵馬」のような木板に縁起物の絵が描かれた額がいくつも掲げられている。


高増の村は、谷合にあり、両側面の山には棚田がつくられている。


寨門をくぐって村の中を少し登ると鼓楼がある。


鼓楼には色々な絵が描かれ、内にも絵馬のような額が納められているが、この鼓楼には、朝日が昇る海に龍にのった少年が描かれていて、これこそ「越文化」の太陽・龍信仰の象徴だな、と思う。


鼓楼の中はテレビがあって村人の憩いの場になっている。

テレビではこの村だけでなく、どの村の鼓楼の憩いの場も「侗劇」のビデオ映像が流されて、侗劇の人気の高さがわかる


ここの鼓楼の中には大きな木彫りの龍も安置されていた。

 

鼓楼の隣の建物に素敵なお猿さんの木彫りの飾りがついていて、中から何人かの人声が聞こえるので、何かの廟かな、と思いのぞいてみると闘牛用の牛小屋になっていた。

 

闘牛用の水牛を飼育するのは、村をあげて行われていて、餌の草は交替で刈って運んでくるのだそうだ。


高増村は、街道を挟んで両側に広がっていて、寨門は街道の北西側の集落のほうにあったが、そちらを一回りしてから街道を横切り、風雨橋を通って川を渡り、南東にひろがる集落を歩いた。


川辺のガジュマルの根元には、祀りごとをした名残がある。


花橋には鷺の飾りがつく。


花橋を渡った突き当たりに「聖廟」があり、土地神が祀られている。

 

侗族の土地神は、夫婦の神様で、日本の「塞ノ神、道祖神」に通ずるものがある。


こちらがわにも立派な鼓楼がある。


鼓楼内部の木組み。

侗族の木造建築物は、釘を使わないで木を組み合わせて造られていることで有名。


鼓楼正面には立派な龍の飾りが付いている。

 

ここでも石敢当をよく見る。


稲藁を結んだ魔除け。


裏山の頂上に意味ありげに石が並べられていた。


もち米を干す家。


琵琶を肩に歩くおじいさん。


民族衣装のおばさま。


一回りして昼時、農家飯店があったので昼食にしたが、その店におじいさんが訪ねてきて、袋をひろげるとイナゴやカマキリ、キリギリスなどが入っていた。


こういうのを全部食べるのかと思ったが、店のオヤジと息子がそれからイナゴだけを選別して、1斤(500g)30RMBで買い取った。


午後は、从江までの途中の村々も訪ねてみようと歩いていくことにした。