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12 麻塘・凱里
貴州での11日目、ガイドブックに凱里の西北に位置する「麻塘(まぁたん)」という「革家族(革は人偏がつく)」の村が出ていたので行くことにした。

凱里の市街地の西方にあるバスステーションから「黄平」行きのバスで、「竜場(ろんちゃん)」というところで降りる(10RMB)。


途中、旧暦6月19日に行われる苗族の歌垣などが行われるお祭り「爬山節」が行われる山「香炉山」が見えた。


麻塘のシンボルは、「鳳凰」のようだ。

 

革家(こぅちあ)族は、中国の55の少数民族の中には数えられていない民族で、麻塘には約100戸の革家族の人々が住んでいるそうだ。

これまでの苗族や侗族の村と違って、平屋が多く、戸口に貼られた「対聯」がやけに目立つ。。


ここでも、トウモロコシの収穫の季節のようだ。


村の中を歩いていると、私の様子をうかがっている、民族衣装を着たおばさまがいた。


私が近づいていくと、家に刺繡とか色々あるから見に来ないか、というのでついて。いくことにした


入り口を入ると、正面に祖先を祀る簡素な祭壇があった。


柱や壁にも色々なお札が貼られている。

 
 
 

トウモロコシだけでなく、粟も収穫の季節のようだ。


20RMBで民族衣装を着けるから写真を撮らないか、言うので交渉成立。


盛装した姿。

帽子も特徴的だ。


首からかける銀の飾りがすばらしい。

革家族は、太陽崇拝、自然崇拝だそうで、銀飾りの中央には太陽が、周囲に鳥や魚などがデザインされている。


こちらは普段着。


若い女の子は、違った衣装になると、娘さんの写真を見せてくれた。


革家族は、刺繍や藍染には、水紋、魚、巻貝、花鳥などのモチーフを作りこむ。


色々見せくれたので、藍染の袋やハンカチなど100RMBあまり購入した。

で、おばさまの家を出て、村を散策する。

黒を基調にして、赤の対聯が強調されて、カラフルな家が目立つ。

 

戸口の魔除けに、唐辛子の束を掲げている家がある。


これも魔除けだろうか?


煙草の葉を吊るして干している家もある。


入り口の間の正面のご先祖様を祀る神棚は、文字に溢れている。

この民族は、「文字」が好きなんだなあ、と思う。


この旅では、吉野裕子氏の「祭りの原理」を読んだところで、蒲葵(クバ)の箒が蔓植物で作った「丸」に刺さっている様は、まさに氏のいうところの男根を象徴する「呪物の『玉箒(たまははき)』」ではないかと思ったが、考えすぎか?


お墓は家のすぐ横に造られている。

 
 

瓦を積み重ねた飾り。


門構えのあるお屋敷もあった。

近代的な、ソーラーを利用した街灯もある。


温度管理に良いであろう半地下の倉庫があった。


赤ちゃんを背負って働くお母さん。

 

民族衣装のおばあさん。


一山越えて「石龍寨」へ向かう。

村の向こうに「香炉山」を望む。


山越えで出会ったおばさま。


山の上の大きな岩に続く。


後で知ったが、「石」がこの村の特徴らしい。

 

村まで降りると、村の前面に池が造られていて、桃源郷のようだ。


この村でも黒に、赤の対聯が目立つ。


トウモロコシに南瓜。


ご先祖様を祀る神棚も文字に溢れる。

 
 

樹の神を祀る。

 

「秀才井」なる湧き水があり、私も一椀いただいた。


ここでも見たことのない蝶々に出会う。


街道へ出て、バスを待つと、また乗合の面包車 が止まってくれて、4RMBで凱里へ帰ることができた。


西のバスターミナルは市場の近くにあり、市場もぶらついた。

蒟蒻が中国にもあることをの時初めて知る。

 

「腌魚(あぅゆぃ)」。

 いわゆる、鮒や鯉の「なれずし」。

酸っぱく発酵しているが、貴州では唐辛子もたっぷり入って、「酸辛」味になっている。

蒸したもち米のお供によく合う。

 

「焼き餅」売り。

この辺りは、「丸餅」

 
 

こちらは、蒸した糯米も焼いて売っていた。 

 

餅屋さん。

 
 

こちらは、黒いもち米を蒸したものと、粽。

 
 

漬物。

 
 

漬物を漬ける瓶。

 
 

ドクダミの根っこ。 

焼き魚などの薬味に使われる。

この時は何かわからなかったが、後々食堂で焼き魚を食べたときにこれを刻んだものが薬味ででてきて、あの独特の香りで、ドクダミと判明した。

 

唐辛子も 四川省と同様、貴州でも料理の必需品。

 

この日は、この市場街を西から東へ ぶらついて、ホテルへ歩いて帰った。


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