表紙 / 弥生の原郷を訪ねて / 初めての貴州 / 08 郎徳の吃新節 |
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9月3日、旧暦7月17日巳の日、吃新節(つぅしんじぇ;新嘗祭)のある郎徳上寨へ始発の7時半のバスで向った。 郎徳上寨へ着いたら、まずは予約しておいた農家旅館へ荷物をおろして村を散策することにした。 谷川沿いの稲の緑が美しい。 |
村では、吃新節で神様に供えられる「抜穂」を手にしたおばさま方に出会う。 |
お祝いのごちそうの材料をかついだ人たちも村へやってくる。 |
トラックにビールをどぉんと積んで売りにきているおじさんがいて、村人はケース買いしてお家へ運んでいた。 村の一角では、お祝い事につきものの豚をつぶしていてた。 まずは、皆で豚を押さえて、首のところで包丁を入れて、血を抜く。 この血も固めて鍋料理などに使われる。 |
そしてお湯をかけて、毛をそぎ落とす。 |
内臓の取り出し。 |
そして、二枚におろす。 |
手早く作業は進められて30分もかからないくらいで1頭の肉が切り分けられて、各農家は重量でお金を払ってお家へ持って帰っていく。 |
お祭に合せて購入したのか、大きな冷蔵庫を運んでいる。 |
郎徳の女性は、頭に花の造花をつけるのが特徴。 |
二人のカメラマンが盛装した女の子をモデルにして写真を撮っていたので、便乗して私も1枚撮らせてもらう。 |
今回の吃新節で盛装した女の子を見たのはこのときだけで、皆が盛装するのは苗族の新年にあたる「苗年」の祭に来ないと見れないようだ。 村の上のほうへ行くと、木の神様を祀ってあるのを見つけた。 |
吃新節の1日目は各家庭に親族が集まってお祝いをするそうで、外での行事はない。 私が泊った旅館では、晩御飯にごちそうが準備されて、その中で、お魚の鮒とお粥は欠かせないものだそうで、それに加えて、お椀に盛られた蒸したもち米に抜穂の米粒を生のままのせたものが用意されて、その一部を神様に供える。 |
主人は、床で紙を燃やし、抜穂の生米と蒸したもち米や鶏肉などを床に供えて線香をあげる。 |
お祈りが済むと、旅館の主人夫婦ともう一人の客と4人でごちそうをいただいた。 |
調理された鮒は、食べる前にデンブのように身をほくしてから食べる。 豚肉、鶏肉、家鴨肉などなどに、もち米で造った濁酒や米焼酎で宴をはる。 日が暮れてから、主人夫婦は親戚の家に行かなくてはならなくて、客の若者は早くから寝てしまい、私は「美人靠」で田圃を眺めて米焼酎をちびりちびりやって過ごして、吃新節の1日目は終わった。 |
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