表紙 / 七十二候 / 乃東生ず

冬至 初候 乃東生ず (なつかれくさしょうず)
「冬至」とは、一年で最も昼が短く、夜が長い頃のこと。

その初候、「乃東生ず」は、ウツボグサの芽が出てくるころ。

新暦では、およそ12月21~25日ごろ。


鳥越憲三郎著「歳時記の系譜」によれば、

「中国の暦法で、冬至を含む月を、十二支の子にあてたことでわかるように、古くは冬至を含む月を歳首としたものとみてよい。・・・・・・。

それは冬至を境にして、自然現象が大きく変わるからであった。実際、冬の近づくにつれて、草は枯れ、木々は葉を落とし、自然はすべてその営みを止めて、さながら墓場のような静けさがおとずれる。

そうした冬がもたらす自然の現象を、古代人はそれを万物が死にゆくものとみた。・・・・・・。

そして万物をはぐくむ太陽の日射しが、冬の深まるにつれて、日々に弱まるのをみた古代人は、太陽の生命も衰えてゆくのを感じたのである。

冬至は太陽が南回帰線をめぐるときで、昇天の太陽は磁石の示す東より、28.6度も南から登る。そのため北半球では、一年中でもっとも日が短い。冬至とは「日短至(ひのみじかきこときわまる)」の意である。

この日を過ぎると、畳の目の幅だけ日ごとに日射しが伸びるといわれる。その冬至を境にして、自然の万物が再び新しい生命をもって甦ってくることを、古代人はその目で見たのである。・・・・。

陰極まりて一陽帰りきたる日として、冬至を「一陽来復」といったのはまことに妙を得た表現である。

万物が甦る復活の思想は、人類の早い時代に生まれたものであった。その復活を確かなものとし、さらに春の訪れが早くなることを願って、この冬至のころ万物をはぐくむ太陽の復活儀礼を行った。」


私は、2012年~2013年にかけて「弥生の原郷」を訪ねて、中国西南部の少数民族の村を4回にわたって訪ねる旅をしたが、2012年の冬至の日、12月21日を迎える20日が、侗族(とんぞく)のお正月に当たる「侗年」にあたり、貴州省の榕江の山間の村「晩寨(わんさい)」でそのお祭りを見物した。

この日は、旧暦11月8日の「卯」の日で、古代においては、11月中の「卯」の日を冬至としていたそうだ。

拦路歌 榕江晩寨 - YouTube

侗年 榕江晩寨 - YouTube


2022年1月20日 記

今年の冬至の初候は、12月22~26日、旧暦の11月19~23日。

この間はおおむね晴れ。時々曇り。

家の庭の水仙が盛りを迎えた。

ただ、風の強い日が多くて、香りは吹き飛ばされている。


マルバシャリンバイの実が、オレンジ色に弾けている。


ナンキンハゼの白い実が青空に映える。

 
家の前の池には、コガモに混じって、ホシハジロの姿もあった。


カイツブリの多分番であろう二羽が仲良く泳いでいる。


散歩に出ると、ジョウビタキの雌に出会った。


畑のヘリに「オオジシバリ」の花が咲いていた。

花期は、4~5月とのことだが、ポカポカ陽気の多い浜松では、「小春日和の忘れ花」のようだ。


24日に、ひまわりファームで野菜の買い出し。

カボス、キンカン、芽キャベツが新顔。


芽キャベツはレンジでチンしてマヨネーズで、カボスは鍋でタラや牛肉を食べるときに、そのしぼり汁と醤油でつけタレに。

キンカンは、砂糖で煮て瓶詰にした。

ちょうど冬至に食べるとよいものの一つがキンカン。

冬至に「ン」が二つつく食べ物を食べると「運」がつくと、TVで言っていた。

冬至に食べると良いと言われているカボチャは「ン」がつかないがなぜだろう、と思ったら、カボチャノの別名は、「ナンキン」だそうだ。