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大倉戸のチャンチャコチャン祭り

遠州こだわりネットワーク」というHPによれば、毎年2月8日と12月8日の年2回、静岡県湖西市新居町大倉戸の恵比寿神社で、疫病神送りの行事、「チャンチャコチャン祭り」が行われる、といういうのを見つけたので、
2020年2月8日に見に行った。

同HPによれば、

「椿の枝を船に見立て、わら人形(でっくらぼう)をのせて、幼稚園~小学生の子供たちが大倉戸地区の端から端まで引き回す。この日の朝、各戸では笹竹に御幣をつけた「送り神」で家の内外を払う。この「送り神」でデックラボウをたたき、鉦を打ち鳴らしながら、12月は東から西へ、2月には西から東へと地区内を練り歩き、「大倉戸のチャンチャコチャン」と囃し、疫病を追い払う。」


12月8日と2月8日に行われる年中行事は「事八日(ことようか)」といわれ、「日本の民俗22静岡」によると、

「コト八日」に山の神を祀るところもあるが、その場合はどちらかの八日を当てる例が多い。とくに県東部では、この日をヨウカゾウ(八日僧)と呼ぶところが多く物忌の傾向が目立つ。しかし西部へ行くにつれて、山間部では山の神祭りの傾向が、海岸地帯では厄払いの傾向が強くなっている」

ということで、昨年、2月8日に県中部の焼津の関方で見たのが「山の神祭り」で、今年の県西部の大倉戸の「チャンチャンコ祭り」は、厄払いの「事八日行事」ということになる。


前記のHPによると、チャンチャコチャン祭りが行われるのは「16:30~17:00」となっていたが、念のため早めに着いておこうと15時前、車で家を出た。

車で20分ほど、15時10分ごろ恵比寿神社に到着したが、すでに祭りの参加者が境内に集まっていた。

 
 

まずは参拝。

 

拝殿前に神饌がお供えしてある。


拝殿前に椿の船に乗った「デックラボー」が置かれている。


15時15分ごろ神主様ではなくて御坊様がやってきて、拝殿前でお経を読み始めた。

神仏混交のなごりだろうか、神社と御坊様の取り合わせには面くらった。


お経を読み終わり、子供たちも参拝すると「おおくらどおのチャンチャコチャン」とデックラボーを笹竹で叩いて、子供たち(リーダーは歳のいったおじさまだったが)の練がはじまった。


恵比寿神社の境内と次に公民館前で「チャンチャコチャン」をしたあとは、旧東海道に沿って移動して、5か所、
計7か所でチャンチャコチャンが行われた。

デックラボーを痛めつければ痛めつけるほど縁起がいい、ということで、最後にはデックラボーがボロボロになって、あとは軽トラに乗せられて去っていった。

民俗芸能辞典で「チャンチャコチャン」について何か書かれていないかとみてみると、兵庫県宍栗(しそう)郡波賀町一帯などに「チャンチャコ踊」というのがあって、その「チャンチャコ」というのは、手に持つ鉦の音からきているそうで、ここ大倉戸の「チャンチャコチャン」も鉦の音から名付けられたのかなあ、と思った。