表紙 / 中国での日々 / ぶらぶら歩き / 11 都江堰・青城山ツアー

11 都江堰・青城山ツアー
成都での6日目、成都の北西60kmほどに位置する世界遺産の「都江堰(どぅじゃんやん)」と「青城山(ちんつぇんさん)」へ行った。

私は道教に興味があるので青城山へ行ってみようと思い、ついでに都江堰へも行ってみたかった。

自分で両方を日帰りでまわるのは難しいかな、と思ったので。ホテルのロビーで成都周辺への観光バスツアーの勧誘をやっていて、「都江堰・青城山一日遊240元」を予約した。

当日、朝6:35に迎えに来る、ということで6:25からホテルの前に出たが、観光バスは6:55にやってきた。

バスは満席で席が窮屈で、快適、とはいかない。

まあ、都江堰と青城山の入園料はそれぞれ90元、昼飯付で、交通費も含めて240元だから、少々窮屈もしかたがない。

ただ、ツアーの中で、電気自動車を利用することが2回あり、その料金50元を追加で払わなければいけない。

私の後も何人かホテルへ迎えに行き、8:30、都江堰に着いた。

都江堰は、戦国時代の秦国の蜀郡の太守李氷(りぴん)が、BC256年からBC251年にかけて築造したもので、世界遺産に指定されている。


堰は、石を詰めた細長い竹かごを川の中に投入し、三角錐に組んだ木枠で固定して造られたそうで、その構造が復元されていた。


ガイドさんの説明は早口で全然わからなかったが、集合場所や時間などは、ガイドさんに直接確認しておいてきぼりにならないようにした。

「宝瓶口」や「魚嘴」など構造物を見るが、今はコンクリートで復元されたもの。

 

河を渡るつり橋は大勢が渡るので振動が増幅されて横揺れがすごくて、少々びびった。


河を渡ってから場外へ出てバスに乗ると山を登っていくので、上から堰の状況を見ることができるかと思ったが、頂上を素通りして都江堰の街へ下りてしまいがっかりした。

おまけにこのあと観光客目当ての観光バスごとに客を窓無しの密室に入れて約1時間、1000元以上もする浄水器を販売する密室商法の会社へ連れて行かれた。

これはうんざりで、私は居眠りして時を過ごした。


密室商法のところから青城山へ向う途中昼食があった。

ジャガイモやタマネギなどを炒めたものとスープで8品ばかりを10人ほどの円卓で、多分、街の食堂で食べれば1人当たり5元ぐらいのものだろう。

旨いとかどうとかというものではなかった。

12時すぎに青城山の入口に到着。

 
 
 
 

ガイドさんが、天師洞まで行って14:40にバスまで戻ってきてください、というので、山を登ることにする。

山門から少し行くと分れ道になり、一方はケーブルカーの駅へ行く道らしいが、私は言われたとおり天師洞への道を行く。

新緑に包まれて清清しい。


また分れ道があり、直接「天師洞」へ行く道と「全真観」を巡る道があり、道端で鳥笛を売るおばさんがこっちのほうが近いよ、というので、全真観を巡る道を行く。

 
 
 

さらに登ると分かれた道に合流して、すぐに「五洞天」に至る。


ここまでくると天師洞はすぐだった。

 

門の左右の脇に門神がいて、その場の石の欄干にいくつか石像があり、木の幹にからめとられたものもあり、その年月を思う。

 

天師洞の門をくぐると、「三清殿」が、ドーン、と建っている。


三清とは、「天宝君」「霊宝君」「神宝君」の三神で、道教の根本の神といわれているそうだ。


三清殿の後ろに3層の天師洞の建物が東向きに建つ。


一番上が、「祖天師殿」。

「天師道」の創始者、「張道陵天師」を祀る。


見下ろす屋根の群れが美しい。

 
 
 

禅寺にあるような、金属製の板もぶら下がる。


天師洞のすぐ南脇に「三皇殿」があり、「伏義」を中心に向って右に「神農」、左に「軒轅(黄帝)」が祀られている。

 

銀杏の大木はご神木だろうか、願掛けの赤い帯が掛けられている。

 
 

ここから先まだ上清宮や老君閣とかがあるらしいが、時間切れで下へ戻ることにする。


予定どうり14:25にバスの待つ駐車場に着き、売店でアイスクリームを買ってバスの戸が開くのを待つ。


「都江堰・青城山ツアー」は、最後に「街子古鎮」に寄る。


ここも本来の古鎮の区域はそんなになく、新開発の清時代風に外装された区域が広い。


自由行動は30分ほどで、あとはみやげ物屋に案内される。

自由行動のときに、草餅のような饅頭を売っていたので食べてみた。

葉っぱに包まれていて、柏餅のような感じでもある。

この饅頭の餡は、挽肉を煮込んだ肉饅のような感じ。


この饅頭は、「叶耳粑(いえあるば)」という名があるようだ。


麺を押し出して作る器具もあった。


色々な名物の実演があって面白く、飴を伸ばして作るのはよく見る。


縦型杵の餅つきは初見。

 

このあたりのおばあさんの衣装は前掛けが特徴のようだ。


地元の人たちが集う茶館では、さいころの目をカードにしたようなものでゲームをしている。


ここまででこの日のツアーは終り、成都の市内に戻る。

どこで降りようか迷ったが、成都の鉄道駅近くを通るというので、駅前にある「夫妻肺片」の元祖の店で夕飯にすることにした。

店の造りはファストフード店風だが、60年の歴史を誇る老舗だ。


ここの夫妻肺片は、唐辛子粉と砕いた落花生がかかっていて香ばしい。


今回、いろいろなところで夫妻肺片を食べて、どこも旨かったが、肉片の見た目や調料がそれぞれ違っていて、さすが元祖、ここの肉片は一味違った。

胡瓜と担担麺、ビールも飲んで、〆て43元。


駅前の繁華街をぶらぶらして、串刺しの具を唐辛子スープに漬けたものを唐辛子粉をつけて食べる、という露店をみつけた。

この食べ方の店はよくみかけたが、さすがに辛そうなのでお腹をこわすのも嫌なので、今回の旅では食べなかった。


12 文殊院と大慈寺 へ