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12 文殊院と大慈寺
成都での7日目、5月24日、朝は雨。

翌日成都を発つので観光は最終日になり、成都市内のお寺や茶館を巡ることにした。

まずは市内観光の定番「文殊院」へタクシーで向う。

朝夕は渋滞がすごくて車はのろのろ進むが、タクシーの運ちゃんが外国人好きで、いろいろ話しに花が咲き退屈はしなかった。

文殊院のすぐむかえに小吃屋があったのでそこで朝食にする。


朝、ということで辛くない「清湯雑醤面(6.5元)」にする。

 

文殊院の参観料は5元。

原名は「信相寺」であったが、1697年に改修されて「文殊院」と改名されたそうだ。

門をくぐると、立派な伽藍が並ぶ。

 
 
 
 
 
 
 

立派な「木魚」もあった。

 

「和平塔」の前に象の石像があり、象の体の下にもぐりこんで餌を与える小僧さんがいて、微笑ましい。

 

一回りして文殊院の前に戻ると、おばさま達が参拝に来ていて、線香の煙を浴びていた。


文殊院の外のマンホールの蓋も文殊院仕様の面白いデザインだ。

 

この界隈には名食街があって、9時を過ぎると店が開きはじめていた。

名食街のはずれの茶館で一休みする。


緑茶の「毛峰」が16元、お茶うけにポップコーンがつく。


文殊院からその南東に位置する大慈寺への中間、岳府街に、ガイドブックによると、「歴史悠久の茶と川劇を楽しむことのできる悦来茶館」というのがある、ということで歩いていった。

文殊院から、大慈寺への界隈は、古い建物と新しいビル群が混在している。


曲線を描く「うだつ」のある建物を見に行くと「金沙庵(華光寺)」というお寺であった。

 

本堂の屋根には武将が立つ。

 

岳府街へ来て、「快来茶館」を探したが見つからないので土地のおばさんに聞いてみたがわからないという。

このあたりも古い建物とビルが混在していて、年代を感じる食堂街があった。


ここにも「串串」を売っている店があり、賑わっていた。


ちょうど昼飯時で店は満席、外にも人があふれていて、とてものんびり昼飯を食べる雰囲気ではないので、道路を挟んだ向えのこぎれいなレストランで食べることにした。


こちらもほぼ満席。


隣の席に面白い一品が運ばれてきたので写真入りのメニューで探すと「糯米南瓜22元」という、外側をカボチャで包んだもち米を蒸したもので、私もこれを頼んだ。


はじめのうちはもち米とカボチャと別々に食べていたが、半分以上食べてから両者をぐちゃぐちゃに混ぜて食べると、これが旨かった。

それと燻製の盛り合わせ(小35元)、勿論ビールも飲んで、〆て67元。


昼飯を食べてから「大慈寺」へ向った。

大慈寺近くに、行列のできるお菓子屋があり、老若男女、皆、袋いっぱい買っていた。


大慈寺の入口は、人民東路から東へ続く蜀都大道に面しているが、私がたどり着いたのは本来は裏口。


後で正面の門のほうを見に行ったが、こちらは再開発で古い建物はすべて壊されてしまった後で工事現場になっていて、中には入れなかった。


そんなわけで、寺の山門は閉じられていて内からは外に出られない。

山門を入ると、沖縄で言うところの「ヒンプン(中国語でなんというのかはわからない)」がある。


大慈寺は、かつては「震旦第一叢林」といわれ、魏晋の時代に建てられたそうで、唐の武徳5年(622年)三蔵法師玄奘はここで受戒したそうだ。

伽藍は、山門殿・弥勒殿・観音殿・大雄宝殿・蔵経楼と並ぶ。

 

ここは、堂内の写真撮影もOKで、どのお寺や道観にもあった財神の「関帝像」の写真もやっと撮ることができた。

 
 

大慈寺へ着いたのが14時ぐらいで、参観チケット売り場で14:30から「大慈・梵音」というショーがあるということで、それも参観することにした(120元)。

参観者は関係者ばかりで、チケットを買っての参観は、私と親子連れの二組だけのようだった。

蔵経楼の中で、「諸仏海会」「仏心法要」「玄奘受戒」「禅心慧水」「大非神咒」と演目は厳粛な雰囲気で進む。

最後に天女の舞と生きた観音様に穢れた体を清めてもらい30分ほどのショーは終わった。

 
このお寺には露天茶座があり、わたしもここでジャスミン茶の「花毛峰(6元)」で一休み。


地図を見ると、大慈寺の南東方向に「牛王廟」とでているので、面白そうだな、と歩いていったが、そこは「牛王廟」という地下鉄の駅があるだけで、「牛王廟」はなかった。

土地の人に聞いても皆地下鉄の駅を指すだけであった。
どっと疲れて、地下鉄で市中心部へ戻ろうと思ったが、これはまだ工事中で開通しておらず、とりあえず鉄道駅へ向うバスに乗り、バスを乗り継いでホテルへ戻る。

晩飯は再度「陳麻婆豆腐」へ行き、家鴨のロースト(36元)と豆花(16元)と麻婆豆腐(12元)、勿論ビール(10元)と四川産の白酒(20元)の小瓶も飲む。

家鴨はビールで、辛い麻婆豆腐と清淡な豆花は交互に口に入れて、こちらは白酒で豆腐を堪能する。

 

これにて成都の旅は終わり。

翌日は朝は渋滞がすごいので、早めの7時すぎにホテルをチェックアウトして、タクシーで空港へ向う(78元+高速代10元)。

空港で朝食にしたが、入ったレストランの朝食メニューは麺のみで、これが68元、ミルクか豆乳かいりますか、というので、豆乳を頼むと、これが30元。

空港内はこんなに高いか、とおどろかされた。

飛行機は10:50で、13:30、無事、仕事の拠点にさいている義烏へ戻った。