表紙 / 七十二候 / 款冬華さく

大寒 初候 款冬華さく (ふきのとうはなさく)
大寒は、1年で最も寒さが厳しいころ。

その初侯は、「款冬華さく」。
蕗の花が咲き始めるころ。

新暦では、1月20~24日のころ。

家の庭でも、2016年1月14日に、一度だけ、蕗の薹が顔をだした。


一つだけ顔を出したので、食べずにおいて、そのまま生長するとどんな姿になるだろうかと観察した。

下の写真は2月23日に撮ったもので、なるほど、「蕗の塔」だな、と思った。

「蕗の薹」の「薹」とは、漢和辞典によると、「野菜類の花をつける茎の伸び出たもの」だそうだ。

「薹が立つ」とはこの事かと合点がいった。

●2021年1月24日記

今年の大寒の初候は、1月20~24日(旧暦の12月8~12日)。

今年も蕗の薹は姿を見せなかった。

17日から北西風が強く吹き寒くなって、19日が寒さのピークで、20日朝には、5mm厚ほどの氷が張り、21日にも薄く氷が張った。

21日、日中はやや暖かくなり、家の前の池には、チュウサギやアオサギ、鴨の類が見られた。

鴨は念のため双眼鏡で見てみたら、「マガモ」であった。



そして、アオサギは小型のものも一羽いたので、昨年生まれの若鳥であろうか。


23日は雨で寒い。

池には、久々に「カルガモ」が数羽やってきた。
カルガモは、嘴の先が黄色なので、見分けやすい。


24日は朝まで降っていたいた雨が止んで、放射冷却が無い分暖かい。

スーパーマーケットのベイシアへ買い出しにでかけたら、鮮魚コーナーで「ニシン」を見つけた。
目も黒々と透明感があって体は銀色に輝き、新鮮のようなので購入して、晩は、塩焼きで一杯やろう。


本山荻舟著「飲食辞典」によれば、

「北海道ではニシンを「春告魚」とよんで待ちかねる。ふだんは遠海の深所に住んで、近海へはめったに姿を現わさないのが、春3月から4月へかけて北海の氷もようやく解けそめ、水温6℃内外になると産卵すべき浅所にあこがれて、陸地近くの海藻が繁茂し食餌の豊富なところをもとめて、天気晴朗の日を選び猛烈な勢いで盛り上がるように群来する。
漁期にもおのずから三期あって、初期の3月から始まるのを「はしり」、ついで「中」「後」とわかれるが、脂肪豊富で美味なのはハシリで、中期・後期には稚小なものが多いから、したがって市価も劣るとされる。
ハシリには4年生魚が多く、体長30~35cmにも達し、魚味栄養ともに最も高く評価されるが、いずれにしても産卵を終えると津波の引くような早さで、さっさと深海へ去ってしまうので漁期は至って短い。」


私が買ったのは、体長約30cm。
まさに「はしり」のニシン。

以前は漁期は、3月~4月、北海の冷たい水温が6℃になってから、ということだが、温暖化で水温が高くなっているんだろうか、1月下旬に早「ハシリ」がやってきた。