表紙 / 七十二候 / 鱖魚群がる

大雪 末候 鱖魚群がる (さけむらがる)
大雪の末候、「鱖魚群がる」は、鮭が群れをなして川を遡るころ。

鮭は、海で大きく育ち、ふるさとの川へ帰ってくる。

アイヌ語で「カムイチェプ」、神の魚と呼ばれ、アイヌはその年初めてとれた鮭を神に捧げる。

その祭りの様子は、NHKのDVD、「ふるさとの伝承」の「北海道・東北編 1」で見ることができる。

新暦では、およそ12月16~20日ごろ。


2021年12月25日 記

北海道の今年の鮭漁は、不漁で、代わりにブリが豊漁とかで、海水温が上昇していることが原因らしい。


ここ浜名湖のほとりは温暖な地で、今年も暖かい。

ただ、冬の強い北西風が吹くとグッと肌寒くなる。

家の前の池でも、風が吹くと、西側の茂みが風よけになって、鷺類や鴨類が避難してくる。


風を防げる水路にも水鳥たちが集まってくる。


スーパーのベイシアで、「カマス」の開いたのを売っていたので、干物にすると旨かろうと購入。


以前、テレビかなにかで干物の作り方を見て、作り方を控えておいたので、実践してみた。

塩150gに水850g、それに魚を20分漬けてから干す。


24時間、北風にあてて、いい塩梅に出来上がった。


2023年12月23日 記

今年の大雪の末候は、12月17~21日。

17日から強い北西風が吹き始め、ぐっと冷え込んだ。

18日、郵便局へ行く途中の畑の横にある野菜の無人販売所で「新玉ねぎ」が並んでいたので購入。

3個200円。

新玉ねぎは、浜松の特産物の一つで、私としては初春のイメージだったが、出荷時期はどんどん早くなっているようで、年明け前の12月にすでに出回るようになっている。


20日にはまた舞阪の魚屋へ行く。

今回もスズキが大小たくさん並んでいて、前回のヒラスズキが旨かったので、比較してみようと、中サイズの物を選ぶ。

1尾、55cm、1320g。 2120円。

スズキは、出世魚で1歳魚で25cmぐらいのものを「セイゴ」、2・3歳で50cmくらいになったものを「フッコ」、成魚になって、時には1mにもなったのものを「スズキ」と呼ぶ。

ここ浜名湖ではフッコのサイズのものを「マダカ」と呼び、浜名湖の釣りの人気魚だ。

今回購入したものは、「マダカ」ということになる。


とりあえず、3枚におろして、刺身とアラは味噌汁にする。

3枚におろすとき、身の弾力がすごくて、包丁を弾くので、片身は骨にたくさん身がのこってしまい失敗。

もう片身は慎重に骨から身を離した。

刺身は、適度に脂があり、甘味と旨味があり、旨い。

アラの味噌汁も脂があり、旨い。

スズキの旬は夏というのが定説だが、どうもそれは成魚の場合のようで、若魚は一年中旨いのかもしれない。

 

今回のものは、内子を持っていて、内臓とともに甘辛く煮付けた。

内子はもちろん、肝臓は濃厚に、胃袋と腸はシコシコと、旨い。

胃袋の中には、コノシロや背黒イワシがまるのまま入っていた。

 

2日目は、そうだ、新玉ねぎがある、とカルパッチョにしてみた。

新玉ねぎをスライスして、柚子を絞った果汁とオリーブオイルを垂らして、庭に生えているフェンネルの葉をあしらった。

ただ、マダカの味が薄められて、シンプルに刺身で食べたほうが旨いようだ。


3日目は、魚体が大きく、身がたくさん残っているので、新玉ねぎもあることだし、天ぷらにした。

フライにせずに揚げ物をするときは溶き卵がないので、小麦粉を溶くときにマヨネーズを適当に加えている。

これは以前、TVを点けたときに偶然やっていた番組でちょうど、簡単に失敗しない天ぷらの揚げ方を紹介していて、それで学んで以来実践している。

マダカの身はフワフワで口の中で溶けてしまい、旨味が凝縮されて美味。

新玉ねぎも口の中で溶けて、甘味がひろがり美味。