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春分 次候 桜始めて開く (さくらはじめてひらく)
初めて桜の花の咲くころ。

新暦では、およそ3月25~29日ごろ。


2013年3月25日 記

テレビのニュースでは、このところ連日、東京上野の桜が満開に近く、花見見物でにぎわっている様が映されていて、今年は桜の開花が早いとのことで、私も昨日尾張の桜の名所の一つである清洲城公園へ自転車で行ってきた(この頃は名古屋の実家に住んでいた)。

清洲城は五条川沿いにあり、甚目寺から清洲城まで五条川の堤上の道路を走る。

堤を走っていると、川面を横切る燕の姿や、ウグイスの鳴き声にも出会うことができた。

しかし、堤に植えられた桜は、ほとんどの木はまだ蕾みの状態で、ちらほら開花しているだけだった。


今見ている「モーニングバード」では、東京は特別気温が高かった、とのことで満開が早かったようだが、尾張地方は、ちょうど桜の花が初めて開く頃、次の週末が満開になるようだ。

ただ、信長の像のあるところだけは、桜が満開していた。


信長の近くに、以前はなかった「濃姫」の像もあった。


公園の一画に、信長を祀る社(やしろ)もある。


川沿いの遊歩道を歩いて、「モンキチョウ」を見つけた。


自分の知っているモンキチョウよりひとまわりかふたまわり小さく感じたが、図鑑をみると、「春型は夏型より一般に小型」であるそうだ。


せっかくだから、以前も訪れたことのある「貝殻山貝塚資料館 」へも行ってみると、「朝日遺跡、よみがえる弥生の技」という特別展示が行われていて、ラッキーであった。


展示物をまとめた冊子が1000円で売られていたので、写真は撮らないでそれを買い求めた。

朝日遺跡は、全国的にみても弥生時代の最大規模の集落遺跡で、独特の出土物もあって、興味深い遺跡だ。

敷地内のベンチに腰掛けてのんびりしていると、私としては初見の小型の蝶々が飛んできた。


帰ってから図鑑をみると、「テングチョウ」であるらしい。

テングチョウは、「生物大図鑑 昆虫I」によると、

「5~7月に多い。越冬虫は幼虫。林縁、渓流沿いの路傍に多く、飛び方は敏速だが、枯れ枝などによくとまる。路上で吸水するほか、花に飛来し吸密する。食餌植物はニレ科のエノキ属。日本全土に分布するが、北海道では少ない。」


帰りもまた五条川沿いを走ったが、また同じところでウグイスが鳴いていたので姿を探したが、見つけることはできなかった。


2021年3月30日 記

今年の春分の次候は、3月25~29日(旧暦2月13~17日)。

ここ浜名湖東岸でも桜は満開の所もあるが、家の庭のソメイヨシノは、27日にやっと一輪開花した。

私のところは、暦通り、まさに、「桜始めて開く」。


家の庭には自然に生えてきた木が何種類もあって、「タブノキ」が新芽をふいて花を咲かせている。

 

26・27・29日は晴れて暖かく、29日には24℃まで上がって暑いくらいだった。

ただ、28日夜からは大雨があった。

雨が無い日は40分ほど散歩している。

26日には、家の近くで、今年初めて「ヤマトシジミ」に遭遇した。

越冬は幼虫でして、年7~8回発生するそうだが、今年初めて羽化したものだろう。

水路は、潮が引いて浅くなっていたが、40cmほどの「クロダイ」を発見した。


27日朝、家の庭で、蜘蛛やら昆虫が目についた。
暖かくなって、色々な生き物が活動を始めたらしい。

まずは、ポルトジンユというハーブの葉に、見慣れないものがくっついていた。


何かのサナギかと思ったが、昆虫図鑑のページをくってみていたら、「オジロアシナガゾウムシ」という昆虫であることがわかった。


蜘蛛も二種類見つけた。

まずは、柿の新葉にくっついていた「ウロコアシナガクモ」。
種名は、ネット検索で確認した。
 

ハーブのフェンネルの間に網を張っている。
こちらもネット検索すると、「ナガコガネグモ」の幼体らしい。

 

こちらも柿の新葉にくっついていた。
アカムシユスリカ」であるらしい。

28日、アオジが家の庭にやってきて、地面をつついている。


そこいらじゅうで、ヨモギが新葉をだしてきて、私は草餅が好きなので、ふと、ヨモギで炊き込みご飯にしてみるとどうだろうと思い付き、さっそくやってみた。

 

2合の米に、顆粒の昆布だしの素大さじ一杯、ヨモギを刻んで入れて炊くと、ヨモギの香りが爽やかでほんのり甘く、予想以上にうまかった。

これまた幸せな春の味を見つけた。

2024年4月5日 記

今年の春分の次候は、3月25~29日。

27日以外は雨で少し暖かくなったがまだ肌寒く、桜はまだ咲いていない。

27日、また舞阪の魚屋へ買い出しに行く。

魚の種類が少なく、目新しいものもなかったので、このところきになっていた「ニシガイ」を購入。

1袋、12個、1000円。

1個の殻長8cm。重さは86g(殻重50g)。

ぼうずコンニャク」さんによれば、和名は「アカニシ」という。

旬は春。

とりあえず茹でて、身を取り出し、ぶつ切りにして山葵醤油で食べたが、どうも違うな、と思い、酢味噌を作って食べてみるとこれが正解で美味。

酢味噌が残ったので、アカニシの残りもぶつ切りにして酢味噌で合えて保存したら、足の肉部分が酢の効果か柔らかくなってさらに美味しくなった。

 

アカニシを茹でたときにそれに付着していた貝が落ちて、カサガイかと思ったが、グーグルの写真検索で「フネガイ」の仲間とわかり、これも「ぼうずコンニャク」さんによれば、「シマメノウフネガイ」であるらしい。

身は、茹ですぎか、小さいこともあって味わうほどではなかった。

 

今回はもう一種、「アカイカ」」を購入。

3尾で810円。

1尾の全長45cm、胴長16cm。体重124g。


「アカイカ」と呼ばれるイカは何種類もあるようで、「ぼうずコンニャク」さんによれば、「ケンサキイカ」であるようだ。

胴長は40cmにもなるそうで、今回購入したものはまだ若い個体だ。

とりあえず1尾はイカ素麺で食す。

若いせいか、味は薄い。


それでは水分をとばそうと1尾は一夜干しにして網焼きにしてみたが、まだ味が薄い。

 

それではと、もう一尾は天ぷらにしたら、しっかり甘味がでて美味。。

庭のタラの芽もでてきたので、摘んできていっしょに天ぷらにして葉の部分のちょっとした苦みと、元の部分のコリコリとした食感と甘味で、春を味わう。

 

エンペラと内臓、下足は、例によってスパゲッティ。

今回はセロリもあったので、一緒に炒める。

庭のフェンネルも茂ってきて、たっぷりとちらして旨い。