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啓蟄 末候 菜虫蝶と化す (なむしちょうとかす)
冬を過ごしたサナギが羽化して、蝶に生まれ変わる頃。

新暦ではおよそ3月15~19日ごろ。


2021年3月20日

今年の啓蟄末候は、3月15~19日(旧暦2月3~7日)。

朝はまだ冷えるが、日中はずいぶん暖かくなった。

鶯も、囀りから、ちゃんと「ホーホケキョ」と鳴くようになった。

16日は午後30分ほど散歩に出ると、そこいらじゅうでモンシロチョウが舞っていた。


水路はちょうど干潮で、潮が引いたところでは、オサガニの類が巣穴から這出てきている。

啓蟄だな、と思う。

日本にはオサガニの類が何種類かいるようだが、今回出会ったものは、甲幅がオサガニほど長くなく、甲長と甲幅の比率が1:1.2ほどなので、「ヤマトオサガニ」のようだ。

 

家の庭では、「タラの芽」が一つ芽を吹いてきた。

タラの木は、3年前に苗木を1本買ってきて植えたもので、2年目からはニョキニョキと新しい幹が出てきて、今は6本になっている。

まだ木の頂の芽なので、食べるには、脇の芽が出てくるのを待っている。


この日は、ベイシアでの買い出しで、鮮魚コーナーでわかめの「メカブ」をみつけたので、購入した。


メカブの本場三陸では3月~4月の一ヶ月間が旬と言われているそうで、今回購入したのは宮城県産で、まさに旬の食べ物。

その日は、サッと湯がいて、適当な大きさに切って、何もつけずにいただいた。

春の海の味と香りが口中に広がり、こうして、安くて美味しい季節の食材に出会うと嬉しくなる。

翌日は、この2年ほどはまっている、ブナシメジと油揚げの炊き込みご飯を炊いて、刻んだメカブに麵つゆをちょっとたらして、炊き込みご飯の上にのせていただいた。


19日には、12月ごろ一旦枯れた庭のニラが食べごろに伸びてきたので、初刈り取りして、豚のひき肉と混ぜて、春巻きにしていただいた。

以前は餃子にくるんでいたが、小さいので面倒で、何年か前からは春巻きの大きな皮に包んで揚げることにしている。


2024年3月21日 記

今年の啓蟄の末候は、3月15~19日。

今年は結構冷え込んで、強い北西風も吹きまだ寒い。

そんな寒い日が続くなか、3月16日に、スモモと花桃の白花が咲き始めた。

昨年は、スモモが14日に、花桃の白花が17日に咲いたので、ほぼ同時期の開花となった。

16日は、舞阪の魚屋へ買い出しに行った。

土曜日ということもあってかお客さんで賑わっていて、お魚も色々並んでいたが、あれこれ見ないで、今年の初見の「ホウボウ」があったので購入。

全長34cm。体重380g。 2尾で1150円。

大きな美しい胸鰭が特徴だ。


さばいているときに、内臓の浮袋に肉が付いているので、ひょっとしたら鳴く魚か、と思ったらその通り。

「おいしい魚図鑑」によると、

「みかけだけでも、かなり目をみはらせるホウボウは、実は大きな音を出すので有名だ。音というか声というか、クラクションの低音みたいなボァーッという音を出す。ウクブクロが、ハートみたいに二つの部屋に分かれ、しに間に穴があって、この二つの間で空気が行ったり来たりして、ウキブクロをふるわせ、その振動が、ウキブクロの中で反響して、とてつもない怪音になる。釣りあげて生け簀に入れておくと、夜っぴて、うらめしそうに、あるいは怒りに満ちて、ボァーッ、ボァーッとやる。その声色でついた名がホウボウ。」


一尾は卵を持っていて、内臓を煮つけて旨い。


同書によれば、「ホウボウは、早春から晩春の頃にかけて味のシュンになる。」

とのことだが、今回購入したものは、脂はほとんどなくていたって淡白。

刺身はほとんど味がなかった。


淡白な魚は天ぷらにするのがよかろうと、1尾分は天ぷらにした。

油が加わると、旨味がでる。


今回は味噌汁も脂がないのでいたって素っ気ない。