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啓蟄 初候 蟄虫戸を啓く (すごもりのむしとをひらく)
啓蟄は、陽気に誘われ、土の中の虫が動き出すころ。

一雨ごとに暖かくなり春になる。

初候の「蟄虫戸を啓く」とは、冬ごもりしていた虫が、姿を現し始める頃。虫に限らず、様々な生き物が目覚め始める。

新暦では、およそ3月5~9日ごろ。

2013年3月9日 記

このところすっかり暖かくなって、虫の姿もみれるかな、と今日9日の午後、また庄内川の河川敷を散歩してきた(この頃は名古屋西区庄内川近くの実家に住んでいた)。

庄内川にかかる橋から遠くをながめると、霞がたなびいているように見えたが、夕方のニュースでは名古屋にも黄砂が飛来しているそうで、今年は、PM2.5なるものもあらわれて、そんなに風流なものではないようだ。

河川敷では、期待通り、虫たちに出会うことができた。


猫柳には、「キタテハ」がとまっている。


遊歩道に、河川敷で見られる蝶々の何種類かについて説明板が設置してある。


写真に撮った蝶々は、はじめはこの「ツマグロヒョウモン」かと思ったが、羽の形が「タテハ」の類のようだったので図鑑を見てみたら、どうも「キタテハ」であるらしい。


「モンシロチョウ」も何尾か飛んでいたが、私がベンチに腰掛けていると、近くにとまった。



引き続きベンチに腰掛けていると、枯れた葦の藪の中から小鳥が現れて、地面をつついている。


家に戻って図鑑をみてみると、この小鳥は「アオジ」であるらしい。


「ナナホシテントウムシ」もみつけた。


まさに、啓蟄の頃になった。


2021年3月9日 記

今年の啓蟄 初候は、3月5~9日(旧暦1月22~26日)。

5日には雨が降ったが、6日は晴れて20℃を超す暖かさになった。

6日には、鶯が初鳴き。昨年より6日遅い。
ただ、まだ「ホーホケキョ」とは鳴かず、「ケキョ・ケキョ」というような囀りの段階。

この日お昼ごろいつものコースを散歩して、虫は、「モンシロチョウ」と「キチョウ」に遭遇した。


浜名湖の岸壁では、「イソヒヨドリ」に遭遇した。

ほとんど日本全土の海岸地方に分布している、とのことだが、私はここ浜名湖では初めて出会った。



庭の「シナレンギョウ」も咲き始めた。



7日は、曇りでやや冷え込む。

朝30分ほど散歩した。


ずっと気付かなかったが、家のすぐ近くの道端に「野蒜(のびる)」が生えていることに気が付いた。

葉と球根は食用になるので、何本か球根ごと掘り起こして抜いてきた。

 

ウキペディアによれば、

「和名ノビルの語源は、昔から食用野草として知られることから、野に生えるヒル(蒜)という意味で、蒜はネギやニンニク、ニラなどネギ属の野菜の古称である。蒜という呼び名は、食べるときに辛くて舌がヒリヒリすることにちなむといわれている。中国植物名(漢名)は、小根蒜(しょうこんさん)。

春の代表的な山菜の一つで、古来から薬草としても用いられてきており、滋養強壮に役立つとされている。

葉とともに、地下にできる鱗茎が食用となる。鱗茎は地下5 - 10 cmにできるため、スコップなどで掘り起こさなければならない。積極的に栽培されることは少ないが、野草として食用にされ、タマネギに似た香りと辛味があり、アサツキ等よりも鮮烈な香味を持つ。収穫後、時間が経つと辛味が強くなり、香りも悪くなる。

葉は万能ネギやニラに準じて用いられ、鱗茎は酒の肴として生やゆがいて酢味噌等の味付けで食されるほか、軽く湯通ししてぬたにしたり、味噌汁の具や薬味としても用いる。

野生のノビルを採取する際には、有毒植物のタマスダレ(ヒガンバナ科)の葉に似ているため、間違えないように注意を要する。ノビルの鱗茎は白い色をしているが、タマスダレの鱗茎は茶褐色をしているので見分けることができる。」


野草やキノコは毒のあるものもあるので、念のためウキペディアで調べたら、、「ノビルの鱗茎は白い色をしているが、タマスダレ(有毒植物)の鱗茎は茶褐色をしている」とあり、安心して食することができた。

葉は、刻んでお昼のインスタントラーメンの薬味にして、球根は、夜、そのまま生で、日本酒の「あて」にして味わった。



8日は一日中雨で、9日は雨が上がり、朝散歩に出た。

鶯の囀りも、「ホーケキョ」までになっていた。


8日の雨は、いわゆる「木の芽起こし」で、庭の柿や梨などの果樹やマサキ・マルバシャリンバイなどの常緑広葉樹の木の芽が吹き出した。




家の前の電線に「ホオジロ」がとまっていた。


浜名湖の向こうには霞がたなびいている。



家の庭の「雪柳」の花が8分咲きになり、華やいできた。

 


庭のツクシも沢山顔を出してきて、今年はいいかな、と思っていたが、沢山生えているのを目の当たりにすると、やはり春の恵みをいただこうと摘み取って、卵とじにしてご飯の上にのせて、「土筆丼」にしていただいた。

ツクシは、特別な風味があるわけでもないが、春を目で味わうものだな、と思う。


2024年3月14日 記

今年の啓蟄の初候は3月5~9日。

曇りや雨で肌寒い日々であったが、9日に晴れて暖かくなる。

8日には、サクランボの花が咲き始めた。昨年は3月3日に咲き始めたので、今年の開花はは少し遅い。

9日にはツクシが出始めたが、こちらは昨年は12日に出始めたので、少し早い。

ツクシは、13日にはたくさん顔を出してきたので、いくつか摘んで、いつもは卵とじにするが、今年は天ぷらにしてみた。

これといった味も香りもないので、やはりツクシは目で季節を味わうものだと思う。


3月9日にまたひまわりファームと舞阪の魚屋へ買い出しに行く。

すべて100円前後で、ブロッコリーの大きな株や葱も安くなった。

そのほか、春菊、エシャロット、海老芋、甘夏みかんを購入。


里芋は冬の間ずっとでていたが、この時期になって「海老芋」としてでてきた。

今回、いかにも「海老」の形をしていたので思わず購入してしまった。

ネット検索してみると、

「京都の伝統野菜である海老芋は、里芋と同じように料理に用いられることが多いです。しかし里芋の原産がインドネシアであるのに対し、海老芋は中国が原産とされています。その違いが食感にあらわれており、肉質が緻密で煮崩れしにくいです。焼いたり揚げたりすると、ホクホクした食感が楽しめます。」



後日、里芋も買ってあったので、煮っ転がしにして味わいを比較してみたら、 確かに海老芋はホクホク、里芋はヌルヌルネットリで大きな違いがあった。

写真の左が海老芋、右が里芋。

 

エシャロットも毎年この時期に味醂で練った味噌をつけて味わっているが、これもネット検索してみると、

「農林水産省のウェブサイトでは「月報野菜情報(2012年5月)を参考として、若採りのらっきょうは「エシャロット」と呼ばれていたが、香味野菜「シャロット(英名)」のフランス名が「エシャロット」で、混同されたことから、若採りのらっきょうの方は「エシャレット」や「エシャ」と呼ぶようになったとしている[14]。いずれにしても分類上、同じネギ属の同属異種植物であるものの、エシャロットとラッキョウでは見た目も味も違う。日本では、この根らっきょう「エシャレット」が、誤って「エシャロット」と呼ばれることが少なからずあり、小売店でも誤っている場合があるため、本物のエシャロットが必要な場合は「ベルギー・エシャロット」などと明示されているものを選ぶのが、間違いのない判断方法である」

とあり、「若採りのラッキョウ」とは思ってもみなかった。


甘夏みかんは、ざく切りにしてホワイトリカーに漬けて、甘夏酒を作る。

以前は、ウオッカに漬けていたが、このところアルコールに弱くなってきたようで、物価高騰もあり、アルコール度の低いホワイトリカーに変更した。


舞阪の魚屋では、お姉さんの一押しの「ホシカレイ」を購入。

全長40cm。590g。2200円。

活かしてあったので、〆てもらう。


表側の体表の鱗が細かい「星」のように見えるためか、裏側に黒い斑点があるのが名前の由来なんだろう。。


お店のお姉さんによると、「幻の魚だよ」というので、えぇぇぇ、と半信半疑であったが、例によて「ぼうずコンニャク」さんによれば、

「見た目にもそっくりなマツカワとともにカレイ・ヒラメ類のなかでもっとも高価なもののひとつ。
特に関東で好まれるもので、白身では最上とするすし職人も少なくない。
現在では天然ヒラメよりも高価なことが多く、一般的な魚店、スーパーなどで見かけることはまったくない。」

ということで、確かに「幻の魚」と言っていいようだ。


とりあえず、片身を背側と腹側の2枚におろして刺身にする。

白身には甘味はないが、旨味が強く美味。

買ってきたその日は、〆たばかりの死後硬直で身はコリコリで、よく噛みしめて味わう。


頭と、内臓、縁側、皮は煮付けで。

「旬は初夏〜夏。冬の産卵期と産卵後は脂が抜ける」

とのことだが、刺身の身にはそんなに脂がないように感じたが、縁側と皮には脂がたっぷりで超美味。

この大きさだとまだ成熟前かもしれず、産卵期に影響されないのかもしれない。


もう半身は、それをまた半分に分けて、とりあえず煮付けにして旨い。


煮汁がもったいないので、海老芋を煮汁で煮付けた。


あと半分は、例によって煮付けうどんにして、生姜とたっぷりの葱も効いて、旨い。