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夏至 末候 半夏生ず (はんげしょうず)
夏至の末候は、「半夏生ず」。

半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころ。

私は、まだこの「カラスビシャク」を見たことがない。

日本民俗資料事典によれば、

「半夏生は夏至から11日目で、田植えの終わり時と考えているところが多い。所により差があるが、農耕作業の一つの区切り日と考えられていたのである。島根県出雲地方では、6月4日が田の神をまつる日であり、鹿児島県の種子島でも半夏生に田の神をまつり、薩摩半島では、梅雨の終わりの休み日をハンゲとよんでいる。
半夏生を畠作の祝い日とする例は関東にも多く、この日に新小麦の穂をとって焼餅をつくり、神に供え、人も食べている。むかし「はげん爺」という焼餅好きの人があって、七つのほうろくの焼餅を食いつくし、そのほうろくをかぶって竹藪の中にはいったとか、日照りで焼き殺されたので、この日は竹林にはいらぬとかの言い伝えが、東京都下にも長野県にもある。はげん爺とかはげん坊主という、妖怪になぞらえた神霊が現れるもののように想像していたのである。」

半夏生に降る大雨を「半夏雨」といい、これにより発生する洪水を「半夏水(はんげみず)」などと言う地域もあるそうで、半夏生の時期は河川の氾濫や土砂崩れなどが起こることが少なくないそうだ。


新暦では、およそ7月1~6日ごろ。

香川では、田植えや麦刈りを手伝ってくれた人たちにうどんをふるまって、労をねぎらう習わしがあって、そこから7月2日は、「うどんの日」になったそうだ。

また、関西では、半夏に蛸を食べる地方があり、同じ7月2日が「蛸の日」となったそうだ。

蛸を食べるのは、「稲の根が、タコの足のように四方八方しっかりと根付きますように」「稲穂が、タコの足(吸盤)のように立派に実りますように」との願いが込められているそうだ。


2021年7月8日

今年の夏至の末候は、7月1~6日、旧暦の5月15日22~27日。

この間、6月30日の夜から大雨が続き、4日には小降りになったが、ずっと雨が続いた。

正に、「半夏雨」で、熱海では大きな土砂崩れがあった。

このところは、雨が降れば大雨、雪が降れば大雪、日照りになれば40℃越え、台風が来ればこれまでにない大型台風と、気象の振れ幅が大きくて大変な時代になってきたと思う。

私も、もう20年ほど前に、この地で大雨が続き、クルマエビの養殖をしていた池が淡水化してしまい全滅、その翌年にはウイルスによるエビの病気で養殖中のエビがあっという間に全滅、2年続きの災難で、この地での養殖を諦めた経緯がある。

その時できた莫大な借金はなんとか完済したが、中小企業の経営者は、債務の個人保証人になって返済義務があるので苦労することになる。

大企業や国・自治体の責任者は、事業の失敗があっても、個人に返済義務がないからやりたい放題だ。


と、この間は雨が続き、散歩には出ずに、雨が止んだ隙間に、庭で虫たちがいないかと観察する程度であった。

フェンネル(茴香)は終わりに近づき、実を結んできている。

種のように見えるが、「果実」だそうだ。

実をつまんで口に入れると、独特の香りと甘い味が口中にひろがり、美味しい。

 

栗の木の若いイガグリに「カナブン」がくっついていた。

カナブンとコガネムシは似ているが、羽の付け根部分に注目すると、綺麗に逆三角形になっているので見分け方の判断材料となるそうだ。


小型のコガネムシもいて、「セマダラコガネ」とのこと。

グーグルの写真検索ですぐに判明した。


イエバエ」が交尾をしていた。


カマキリも段々と大きくなってきた。


2024年7月11日 記

今年の夏至の末候は、7月1~5日。

1~2日にかけて大雨があり、正に「半夏雨」となった。

3日は曇りで、4・5日は晴れて猛烈に暑い。

5日、舞阪の魚屋へ買い出しに行く。

店に入ってすぐに「イボダイ」が目についたので購入。

5尾、700g、1200円。 1尾、150g、21cm。

全体像は、写真に撮り忘れたので、煮付けにした全体像。


「おいしい魚図鑑」によれば、面白い習性がある。

「 煮ても焼いても夏場の味としては、かなり上位にランクされるほうだ。
 夜は浮上してエサをあさり、昼間、底にじっとしているところを底引き網がねらう。
 これをクラゲウオという別名で呼ぶところもあるが、これは、小さい時、クラゲのカサの下で暮らすくせがあるため。
 アジの稚魚もクラゲとの共生が得意だが、イボダイの子は、もう少し猛烈らしい。というのは、アジのほうは、ただ、敵からの目をくらますために、カサをりようしているのに、イボダイのほうは、クラゲの体内に、づかづかと入り込み、時どき腹が減ると、クラゲの身体の一部をちぎって食べるからだ。食事つきの下宿のようなものである。」

ということで、夏が旬。

イボダイというと、私としては「煮付け」のイメージだが、とりあえず5尾のうち3尾は三枚におろして刺身で。

ぼうずコンニャク」さんによれば、「皮霜造り」が旨い、ということで、三枚におろした6枚のうち、3枚は皮を引き、3枚は皮を残して熱湯をかけて霜降りにした。

いい脂ののり加減で、旨味もたっぷり。

冒頭の写真のように煮付けも旨い。


産卵期は春~夏、ということで雄も雌も生殖腺が発達途上。

 

内臓の煮付けも、味噌汁もいい味だ。

 

例によって味噌汁から出てきた「イボダイの鯛」。


もう一種類、お店のお姉さんが一押しよりももっと強くグイグイ押してきた、活かしのハゼ。

家に帰ってからよく見ると「マハゼ」でない。

そういえば、以前散歩していた時にハゼ釣りをしていた人からウロハゼは、7月までの夏のハゼで、まだ小さいけど、これからはマハゼの季節になる」と教えてもらったことを思い出した。

で、今回購入したのは「ウロハゼ」。

10尾、420g、1260円。 1尾、60g、18cm。



ハゼは魚体が小さくてヌルンルしているので、三枚におろしたり、天ぷらの下準備が面倒であまり買いたくはなかったが、おねえさんのグイグイ押しに負けて購入した次第。

で、苦労して2尾は三枚におろして刺身でいただく。

意外に脂がのっていて、旨味とコリコリした食感でこれは美味い。


3尾は、これも苦労して背開きにしてハゼの定番の天ぷらにした。

身がフワフワになり、旨味たっぷりでこれも美味。


残りは面倒なので素揚げにした。

頭や骨は意外と硬いのでホクホクした身をかじる。


素揚げにした残りは甘露煮にしたが、これも骨が硬く、頭と背骨は食べずに置いた。


お腹を覗くと、肝臓が大きく旨そう。

1尾のみだが卵巣が発達途上の雌もいた。

 

例によって、内臓の煮付けとアラの味噌汁。

けっこう脂があって旨い。

 

これも定番の「ウロハゼの鯛」。