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見付天神裸祭 浜垢離
見付天神裸祭のHPによると、

「見付天神裸祭は、毎年旧暦8月10日の直前の土、日曜日にかけて行われる東海道遠州見付に古くから伝わる 矢奈比賣神社 (ヤナヒメジンジャ)の大祭で、現在では重要無形民俗文化財に指定されております。  見付天神裸祭は 矢奈比賣神社 (見付天神社)の神様が、遠江国の総社である淡海国玉神社(オウミクニタマジンジャ)へ神輿に移され渡御する際に行われる祭で、渡御に先立ち裸の群衆が町中を練り歩き、拝殿で乱舞することから「裸祭」と呼ばれています。元天神社の”祭事始”から始まり、” 御斯葉おろし ”、”浜垢離”、御池の清祓”、”大祭(宵祭、神輿渡御,還御と続く裸祭のメイン)”の順に行われます。 」

ということで、まずは2019年9月4日、遠州灘に面したの福田海岸で行われる「浜垢離(はまごり)」を見に行った。

その神事は、やはり見付天神裸祭のHPによると、

「浜垢離は、祭りに参加する氏子の心身を清めるための行事で、遠州灘の福田海岸にて、御大祭の3日前に行われる。」


駐車場がどうなっているか不安もあり、早めに行って、海岸でのんびりしようと、5時過ぎに車で家を出て、6時ごろには福田海岸に到着した。

駐車場は、関係者の車両以外は入場禁止になっていていたが、すぐ近くに道路に沿って空き地が続いていたので、そこに車を留めた。

海岸や松林の中に、参加する各町内のテントの設営する人たちが、すでに準備を行っている。

神事は、10時ころからまずは松林の中の一画に注連縄が張られたところで始まる、ということで、私は7時ごろまであちこちうろうろしてから海岸の松林の木陰にシートをひろげて、ウトウトひと眠り。
8時ころまでは風が無く、海も凪いでいたが、その後は風が出てきて、海は波がでてきた。

8時半ごろに松林の神事が行われるところへ行き、またシートをひろげて腰をおろして、神事が始まるのを待つ。

9時ごろ本格的なビデオカメラを三脚に据えた若者がやってきたので、声をかけてみると、地元のひとで、この祭りの見どころなどを教えてもらい、準備は整った。

神事が始まるまでに10人ほどのカメラマンがやってきた。

そして10時ごろから松原の神事「松原放生会」が始まった。

HPによれば、

「神職、神社役員、先供、輿番が参加し、しめ縄が張られた松原の所定の場所において行われる神事。大原・大杉家献上の命の魚(みょうのうお)(鯔)を神前に献じ、祝詞が奏上される。正式には松原放生会と言い、最後にこの魚を近くの池に放魚する。 」

今回、実際には、「献上の命の魚」はボラではなく「鮒」で、近くの水路に放魚された。

「松原の神事が終わると、浜辺に移動する。まず、海に面して大榊、鉾を立て、神事が行われる。先供、輿番は、ここで、配られた小祓いで全身を祓い、その小祓いは砂浜に突き立てる。」

「神事が終わると、宮司を先頭に神職、先供、輿番の順に、波打ち際より海に飛び込み禊をする。この時、先供は海中より小石12個(十二支を象徴)と砂、海水を桶に汲み取り持ち帰る。  輿番の禊が済むと、いよいよ、海岸で待機していた各町の人々が、勇ましく練りながら海中に駆け込む。この後午後2時ごろまで、各町入れ替わり浜垢離が続けられる。海より上がった人々は各町毎に分かれて松原や浜辺に陣取り、宴が始まる。」
 
 
大海原に向かって鉾を振る様は、海の民の祭りなんだなあ、と感慨ひとしお。

松林のなかにもあちこちたくさんテントを張って宴会場が設営されていたが、たくさんの「町」があるようで、町ごとの禊の一団が次々とやってきて、ヨイショ、ヨイショと海辺で練る様はなかなか勇壮だ。


11時半ごろ、まだ浜垢離は続いていたが、私は帰ることにした。