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大宮浅間神社 石上げ祭り

2011年8月7日、日曜日、犬山の大宮浅間神社で「石上げ祭り」が行われたので見に行った。

 

朝は用事があったので、10時すぎに名鉄で犬山まで行き、犬山駅前から明治村行きのバスにのり、長者町で下りて神社まで歩いた。

 

大宮浅間神社は、「尾張富士」という標高275mの美しい山の頂上に奥宮、中腹に中宮、麓に本社が鎮座する。

写真の左の山が「尾張富士」で右の山が標高293mの「本宮山」。

 

石上げ祭りは、尾張富士が本宮山より低いことに由来する祭りで、犬山観光情報のHPによると、

 

「その昔、尾張冨士のお山が、隣の本宮山との「背くらべ」に負けました。そこで尾張冨士のご祭神は、村人に石を山頂に担ぎ上げ、山を高くすることを命じました。そして石を積み上げた村人には願いを叶え、幸せになるよう神徳を与えました。これにちなんで老若男女が家族やグループで大小さまざまな石を山頂に担ぎ上げるのが「石上げ祭」です。家族、友人、職場のグループなど、どなたでも参加できるお祭りです。暑い夏の一日、みんなで力をあわせ、尾張冨士の山頂に石を担ぎ上げ、一年間の健康と安全を願いましょう。詳しくは当石上げ祭伝承保存会(尾張冨士 大宮浅間神社内)までお問い合せください。」

 

11時過ぎに神社に着いたが、境内は石上げをするグループで賑わっていた。

祭神は、木花開耶姫命と天照大神で、社殿は南向きに建ち、拝殿、幣殿、本殿が並ぶ。

「桜」の紋の幕が掛かっていた。


拝殿にも玉石が奉納されている

二人で石を持って上がれる「二人づり献石」も用意されていて、それを持って山を登る人たちも多かった。

12時に花火が鳴ると、大きな3つのグループが拝殿前で次々にお祓いを受けて、「石上げ音頭?」の歌に合わせて「ヨイショ・ヨイショ」と山を登り始めた。

最後の「河北(こぎた)区」が一番大きなグループで、私もそのグループといっしょに登ることにした。

参道は岩肌むき出しの険しい道で、一人で足場を選んで登るのも大変だが、石を担いで足場を選べない状況で登っていくのは大変だろうと思う。

中宮のあるところは1/3ほど登ったところで、そこから伊吹山方向の眺望がすばらしい。

中宮には、拝所と本殿、そして両側にも社がある。

 

中宮の広場の一角の小屋に、鎌が奉納されてる。

この鎌は、谷川健一編「日本の神々10 東海」みよると、

「当社に願を掛けるときは左鎌を奉納することになっており、それは木花咲耶姫命が左鎌で木賊(とくさ)を刈った由緒によるとされている。」

 

その隣の小屋には、「竈に釜」もある。

河北区の石上げのグループは、頂上まで持っていくわけではなく、この先少し登ったところに安置した。

石は一人で持ち上げることができるほどの小さなものだったが、雑談をきいていると、来年は畳ほどの大きな石を上げて石碑を立てる、と話していた。

上げられてきた「献石」はほとんどが頂上まで届くわけではなく、登山道の両側に石碑のように立てられているものが多い。

ただ、いったん石を置いたあと、頂上の奥宮へ参拝する人たちも多い。

しかし、一人で石をしょって上がってきた人もいた。

頂上まで持ってこられた石は拝殿前に積まれている。

 

大宮浅間社は、別名「尾張富士」。

参道の森の切れ間からは、ライバルの「本宮山」が見える。

頂上で念のため持ってきたパンを食べ、一休みしてから下山する。

 

麓までおりると「尾張富士」と染め抜かれたハッピを着た一団が石上げを始めるところで、結構大きな石を担いでいたので、またビデオに撮ろうと中宮の手前まで登って待ち構えていたら、2合目あたりで石を置いて帰ってしまい、ガッカリしてしまう。

 

しばらく、そこで次の一団を待ったが、なかなかこないので、また麓まで下りると「国」のハッピの一団が拝殿前に入ってきたので、また

その一団について登った。

この「国香会」は、中宮の手前まで石を運んだ。

揃いのパッピ姿がカッコイイ。

国香会の奉納板には、御幣とともに鎌がついていて、「左鎌の奉納」というのはこれなんだな、と確認できた。

私はこの日、頂上まで1回、中宮までは3回のぼったことになる

国香会の石上げの終わり近くになって雷が鳴り、ひと雨きそうになったので、あわてて下山する。

しかし、幸いたいした雨にはならなかったのでよかった。

 

夜8時から薪を束ねた松明をブンブン振り回して山から下りてくる「火振り神事」があるので、神社へ来る途中見つけておいた地元の人たちが出している出店へ行って、ヤキソバとビールで腹ごしらえする。

 

7時ごろ拝殿前に戻ると、松明を持った小中学生や若衆が集まってきている。

 

私は、始めは拝殿前から少し登った松の木陰に陣取った。

 

8時、花火が上がるのを合図に、まず小学生から火振りが始まった。

松の木陰にいるときは、すぐ間近を松明がかすめていってビビッた。

 

こうした行事も、若衆が大人になる通過儀礼なんだろう。

 

40分ほどで火振り神事も終わり、名鉄の羽黒駅まで歩いて、22時ぐらいに帰宅できた。