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酒仙像を探して

2003年に、紹興酒にひかれて、初めて紹興へ行ったとき、いい雰囲気の街で気に入って、その後、上海の本屋で、紹興のオールカラー写真のガイドブックを手に入れた。

そのなかに、紹興の郊外の東浦鎮にある、「戒定寺」に「酒仙」が祀られていると紹介されているので、酒好きの私としては、一度は参拝にいかねばなるまい、と義務感にかられていた。

で、2007年7月27日日曜日、朝一番のバスに乗って、紹興の東浦鎮のとなりの「柯橋(こじぁお)」へ向かう(37RMB)。

義烏からは、柯橋に2時間で到着。

柯橋のバスセンターからは、東浦を通るローカルバスに乗り換える(1.5RMB)。

東浦で降りて「戒定寺」はどこかと、人に尋ねても誰も知らない。

ガイドブックでは、東浦は、紹興酒の郷と紹介されているが、お酒の工場はみあたらないし、あるのは紡績工場ばかり。

とりあえず、戒定寺があるという、「浦賞べん(示す扁へんに方)村」へ歩いていくことにした。

その道すがら、会う人事に酒仙の寺はどこにあるのか聞いても誰も知らない。

おかしいなあ、歩を進め、村について、会う人ごとにきいてみても「酒仙像」は、知らないという。

では、戒定寺は? と聞くと、この辺一帯がそうだ、と指差すところは普通の民家。

おかしいなあ、、、、と思いながら、また人に尋ねると、やはり知らないが、私が持っていったガイドブックのコピーに、古い橋の写真があり、これは「老街」にあるから、そこへいけばあるかもしれないと、親切なおじさんで、クルマに乗せて、そこまで送ってくれた。


ちなみにガイドブックで「酒仙橋」と紹介されているこの橋は、「新橋」と呼ばれている。

老街で人に聞いても「酒仙」については誰も知らず、とりあえず、老街の雰囲気がいいのでそこで写真を撮りまくる(別に「東浦鎮」参照)。

老街をひととおり見てまわって、すでに12時。

昼飯でも、と新町のほうへ行き、バス停のちかくに、「江南川粤菜舘」というのをみつける。
江南料理に四川料理に広東料理で、なんでもありのようだ。

あまりにのどが渇いていたので、ビールのつまみ系の「拌黄瓜(生きゅうり)」と「涼拌牛肉(中国式ローストビーフ)」をたのんだが、まてよ、せっかくの水郷だからと、ナマズとニンニクの醤油煮もたのむ。


泥臭くなくて、白身と皮下脂肪が、美味い。
ビール大瓶2本を飲み、〆て39RMB。


昼飯を食べて、元気100倍、再度、酒仙探しになった。

とりあえずは、、「浦賞べん村」へ戻ることにした。

地元の古老たちが集って麻雀をやっているところがあったので聞いてみると、酒仙についてはわからなかったが、ガイドブックにある、「酒仙碑」は以前この村にあったらしいが、どこかへ移された、ということがわかった。

そして「戒定寺」はあっちにある、とのことで、また朝来たところに戻ってしまった。

そこにいた老人に、戒定寺はどこにあるか、と聞くと、これだと指差してくれたのが写真の建物。


これがお寺とは気が付かないよなあ、と小さな木戸をくぐると、小さな廟があった。

中には、ガラスケースの中にずらりと、観音様やら道教の神様やら、赤ら顔の関公やら、いろいろな神様が並べてあった。

 

でも酒仙像らしきものがないので、この廟をお守りしていると思われる人が座っていたので聞いてみると、酒仙はない、という。

では、写真にある酒仙碑はどこにあるのか聞いてみると、以前はここにあったが、何年か前に「下大橋酒場」に移された、とのこと。

「酒場」というのは、飲み屋ではなく、お酒を造る工場。

廟をでると、ちょうど三輪タクシーがきたのでそれに乗り、その工場へ向かった。


工場の入り口で、酒仙碑の場所を聞いて、中に入れてもらい、とりあえず、1857年に行われた酒郷神会を記念して立てられたという、酒仙碑にはたどり着いた。